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Westone ES60 レビュー ☆完璧モニターサウンド☆

 さて,今回はいよいよWestone ES60のサウンドレビューをお届けします。

 実は最重要? フィッティングにこだわりを

 コンシューマ用のイヤホンの不満。皆さんはどのような点に感じていますか?
 もちろん,音質。「ドンシャリ」「かまぼこ」等の音の分布はもちろん,低音の沈み込み,高音の伸び等の具体的な事柄の他,「色つや」「艶めかしさ」等の感覚的なものまで,感じ方は人それぞれでしょう。

  私個人的には,どうも低音の圧が苦手で,中・高音寄りの伸びや解像度を最重視しています。その際,イヤホン本体の音の性質同様,音質に大きな影響を与えると考えているのが,イヤチップの存在です。

  通常通りに耳穴に差し込むと,どうしても低音がぼわつき,高音が籠もって聴こえるんですよね。私の駄耳。カナルタイプでありながら開放感を感じ取ることができる,そんなイヤチップとして,わたしはWestoneの「スターチップ」を愛用していました。

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 それまでは,シュアーの「弾丸」がメインでしたが,どうしても圧迫感が・・・。
 また,このスターチップを使用していても,その日の体調や聴く音源等によって,耳穴への差し込み具合が定まらず,昨日納得できていた音が今日は満足できなかったり。そんなこと,皆さんはありませんか?

  イヤホンで音楽を聴くということに際し,実はこのフィッティングって本当に重要な意味を持つと思うのです。

 

Westoneの武器 「フレックスカナル」

 それを解決するための「カスタムIEM」なのですが,Westoneカスタムには,オリジナルの必殺技があります。それが「フレックスカナル」です。

  Westoneカスタムは,シェル部分の耳穴に入る部分が透明になっています。これは,どんなシェルカラーを選択しても同様。そして,この先端部分だけ,シリコン素材でできています。通常は堅いのですが,耳穴に入って体温で暖められると少し柔らかくなり,あごや頭の動きに合わせてある程度変形できるようになっているのです。
 また,Westoneのカナル部分は他のメーカーよりも長くできており,より耳穴にフィットできるようになっています。これらの原因からか,耳へのフィットに関する点では,コンシューマ用のイヤチップとは全くもって異なる感覚を味わうことができます。

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 また,耳にフィットしてはいるのですが,過度な圧がなく,良い意味で開放的な感じがします。以前にカナルワークスのカスタム「CW-L51aPSTS」をオーダーしたのですが,とにかく低音が強いんです(メーカーは「モニター」的な音質として捉えているようなのですが)。この機種,シェル部分に取り外し可能な抵抗が付いていて,好みの音質に変えられるという画期的なモデルなのですが,抵抗を一番高音寄りのものに変え,プレーヤーのイコライザで高音側を持ち上げても,何ともならないくらい。この低音の圧やもこもこ感のほか,どうしても高音側の解像度が足りず,手放した経験があります。あっ,音の評価については,もちろん私の個人的な見解です。
 中音の艶はとてつもないものを感じましたのでポテンシャルは相当なものだと思ったのですが,私の耳には合わなかったということです。

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 ES60のフレックスカナルが,誰にでも私のようなフィット感を与えてくれるのかは分かりませんが,私は幸運にも,これまで一番悩んできた問題から解放されました。

 

さてさて,その音質は? 正にモニターの王道!

 さて,その音質は? 正にモニターサウンドです。
 低,中,高音を本当に過不足無く鳴らします。コンシューマ用のモニター傾向のイヤホンもこれまで多数利用してきましたが,それらすべてがそれぞれの癖を持っていたことを浮き彫りにするかのように,その音の配分が本当に絶妙,綺麗なのです。

  また,美音を響かせる高解像性。一般的に言って,Westone社製のイヤホンは,低音寄りのフラット,あるいは低音寄りの弱ピラミッド型と見なされるようです。そしてそれらの音傾向を形容するときに必ずといって良いほど付け加えられるのが,「角がない優しい音」「柔らかいけれども高解像度」といった表現。裏を返せば,他のメーカーと比べて解像感が劣るということです。もちろん,解像感があるからいい音というつもりは毛頭ありませんが,私にとっては解像感は譲れない要素の一つです。

  実際,私が4万円クラスでダントツにお気に入りのPM-PRO30も,やや低音寄りながら高音もそれなりにがんばっているのですが,高音のもう一段の伸びと全体の解像感が物足りません。ここさえクリアできていれば,この機種正にモンスターなのですが…。しかしES60は,それらの不満をすべて吹き飛ばします。Westone特有の優しく,生めかしい音はそのままに,全域にわたって澄み渡るかのような解像感が広がるのです。本当に見晴らしのいい音。浸れる音です。

  よく,「これまでに聞こえなかった音が聴こえる」という表現を目にしますが,正にそれ。自然な解像感がなければ,至極当然のように,さらっとこれらの細かい音を拾うことはできなかったはずです。

  そして,適度な左右への広がり,奥行き感。これも,大型のスピーカーで聴いていた時代のように,自然なのです。10proなどのように不自然に左右に広がったり,シュアーのように音が団子のようになることがありません。

  更に言えば,ロック調の曲だったり,多くの楽器が一斉に演奏されるような曲の場合,それら一つ一つの音を拾い,破綻無く鳴らすことは,これまでのイヤホンでは不可能でした。SE846やW60などの高性能機になればなるほどよく踏ん張ってくれるようになるのですが,限界がありました。しかし,ES60は,どんなに曲の情報量が多くても,決して破綻しません。これは聞いてみないと分からない感覚かもしれません。

 

 上記の内容,まさにモニターに要求される事柄だと思いませんか。まあ,決しておもしろい音,特徴的な音という訳ではないのですけれど。

 

 音に溺れる〜上白石萌音さん『chouchou』

 具体的な曲に関するレビューは後日に譲りますが,一つだけ感動した曲について。

  皆さんは,上白石萌音さんという方を知っていますか?

 元々は東宝シンデレラコンテストで入賞し数々の映画やドラマにも出演なさっている期待の若手女優さんです。しかし,この夏,違う方面で注目されました。カバーアルバム『chouchou』の発表です。
 特に,自身が声優として出演した「君の名は」の主題歌「なんでもないや」のカバーが評判を呼び,ミュージックステーションをはじめとする音楽番組に出演することになるのです。ただ,私が特におすすめなのが,『レ・ミゼラブル』でエポニーヌが歌う「On My Own」のカバー。彼女の息づかいがダイレクトに伝わってきます。また,途中で感情が入り,声が途切れて吐息が漏れる場面があるのですが,この部分が脳内に響き渡ります。正に「音に溺れる」という表現がぴったりです。

  是非聴いてみてくださいね。

 

 

 次にES60をご紹介する際は,音源の音質やリケーブケルの影響などについてお伝えできたらと考えています。

 

 

 

 

 

 

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