Cafeのひとときにノイズキャンセリングヘッドホンを…
MacBook Pro(Late 2016)を購入してから,CafeでMacを利用する機会が増えました。周囲の人たちの声もCafeの雰囲気を感じ取る大切な要因のように感じますが,自分の好みの音楽に浸りながら…という楽しみもありますよね。
そこで,しばらく前からノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホンが気になっていました。候補として考えていたのが,Boseの「QuietComfort 35」とSONYの「MDR-1000X」。
どちらもネットの評判は上々でしたので,その効果はどのようなものかと,試聴の機会を狙ってしました。
先日両方を試聴してきましたので,その感想を。
人の声が聴こえる…
双方の特徴を記述する前に言いたいことが…
「両方とも人の声は普通に通します!」
この時点で私の利用方法からしてこの手のヘッドホンを購入することはあきらめました。
ただ,重低音はかなり押さえられていましたので,電車や飛行機などを利用する際の効果は期待できるかと思います。
私だったらQuietComfort 35をとる!
まずはMDR-1000X。
単純なノイズキャンセリングの効き目は間違いなくこちらが上です。「スッ」と一瞬にして重低音が消えます。ホワイトノイズも気になりません。
ただ,他の音が消えるだけに「人の声の音域」が非常にクリアにきこえてしまいます。店頭での試聴でしたが,家の中での使用を考えると,おそらく家族の会話やテレビの音などはかなり耳に入ってくることが考えられます。
音質は…
ネットの評判はすこぶるいいようですが私には我慢できない音でした。全体的に音が遠いのです。そのため全体の雰囲気も台無し。ただ外側で鳴っているような印象です。音全体の調和がとれていないのです。申し訳ありませんが,「音質」を評価する以前の問題だと思います。
評価が高かった高音域の解像度もダメダメです。全く解像感が感じられません。音質に期待して購入すると痛い目に遭うはずです。
次にQuietComfort 35。
ノイズキャンセリングの効き目は,MDR-1000Xよりも大きく劣る印象でした。ネットでは「ほぼ同等」という記述が目立ちますが,結構な差があります。「NC=Bose」という印象が強かっただけに,非常に意外な結果でした。
MDR-1000Xではほぼ完全に消えていた重点音も若干残ります。しかし相対的に「人の声の音域」だけが目立つということはありません。よって,不自然さのないNCの効き目という点では,こちらの機種の方が優れているように感じました。
音質は…
低音が強いというBoseの特徴がそのまま生きています。丸みがありながらしまりのある低音で非常に好印象です。高音の伸びは案の定ありませんが,定位がしっかりとしており,十分な臨場感は感じられました。MDR-1000Xのようなアンバランスさがないため,解像感はないのですが,それなりの音質の音楽をそれなりに楽しめるという印象です。
両機種を実際に試聴して気付いたのが,
「結局周囲の音を消して楽しむためにはそれなりに音量を上げなければならない」
ということ。NCが聴いている状態でも「人の声」はごくあたり前に耳に入るのですから,逆に変に気になってしまうんですよね。「人の声」を消すためには結局ある程度音量を上げることになります。
う〜ん,NCの意味が無い!
また,NCの効きはMDR-1000Xがいいのですが,音量を上げると結局その「効き具合の差」は全く意味のないものになってしまいます。音量を上げればどんなヘッドホンでも周囲の音は消えるわけですので…
よって,自然な音楽を聴くことが出来る「QuietComfort 35」を私だったら選びます。まあ,私には必要が無いということが試聴で分かったので実際に購入することはないのですが…
ある意味,自分の耳に嫌気が差す
まあ,QuietComfort 35でも,音質だけでいえば全く満足できないものです。解像感が足りません。様々なイヤホンを試しながらES60というカスタムIEMにたどり着いたというこれまでの経緯が,求める音質のグレードを限りなく上げてしまっていたのだなと改めて感じました。
おそらくこの両機種以外にある程度の高級イヤホン・ヘッドホンを聴いたことがない方であれば,満足する場合もあるでしょう。しかし,少しでも「音質」を意識した経緯がある方であれば,この手の製品の購入には思い切った割り切りが必要だと覚悟しておいた方がいいと感じました。
また,音のバランスを意識される方であれば,おそらくQuietComfort 35を推す方が多いのではないかと思います。
まあ,あくまでも私の独断と偏見ですが,これから両機種を検討なさる方は,参考にしていただければ幸いです。