激動の第5話 5人にとっての幸せとは?
ドラマそのものの質,視聴率とも好調な「コードブルー3rdSEASON」。
第5話は,「結婚」を中心に,5人にとっての幸せとは何か?という非常に荘厳なテーマだったように感じます。
さらに,藤川と冴島の子ども,ピアニスト奏のオペ,緋山と料理人緒方との関係という,サードシーズンの縦を貫くサイドストーリーにも「激動」ともいえる変化が起こった回となりました。
冴島の流産,藤川の決意,5人の友情…
妊娠中の冴島がオペ中に出血して流産してしまいます。
自分を責める冴島。何もできない自分に腹を立てる藤川。そんな2人を励ましたのは藍沢,白石,緋山の3人でした。
ベッドの冴島を囲み,フェローのミスをネタに和やかな気持ちにさせるシーンはホッコリとさせられました。
また,藤川が冴島のつわりのために用意したトマトを1人で食べているところに出くわした藍沢が一緒になってトマトを食べながら,
「そもそも幸せって何だ。お前はみんなの明るさをもたらしている。それはすごいことだ。どんなときでも,お前の家庭はきっと明るい。人は幸せになるために結婚するんじゃない。つらい毎日を2人で乗り越えていくために結婚するんだ。」
というシーンでは,心から冴島のことを思う藤川に対する藍沢の思いやりが見えました。
互いを認め合っているからこその思いが,さりげないシーンとして描かれていることがなぜかうれしくなりました。
そして前を向く冴島と藤川。6話以降,どのような描かれ方がされるのかに注目ですね。
緋山の緒方に対する思い
人一倍強がりで弱さを見せないように振る舞ってきた緋山が,一人の男性に惹かれていく様子を描いているサードシーズン。
5話では,結婚している緒方の離婚話に心が揺れる緋山が描かれていました。
特に,離婚届の証人欄に記入するシーン。緒方の背中を借りながらペンを走らせる緋山の切ない思いを,戸田さんが見事に演じていたと感じました。
また,緒方のことで悩んでいる緋山に対し,白石が,
「結婚ってやっぱり憧れる。誰かと一緒に生きる人生って素敵だなあって思う。」
と投げかけ,それ対し緋山が,
「意外と…響いた…」
と返すシーンにはしびれました。単なる医療の問題だけでなく,医師としての生き方そのものを描こうとするこのサードシーズン。評価が高いのも頷けます。
ところで,第5話のカメラワークで特徴的だったのは,「引き」と「背面」だと感じませんでしたか?
深刻な事柄に悩んでいる場面,5人の関わりを浮き彫りにしたい場面で,似たような描写がなされていました。
「互いの心が通じ合っている」
ということを表現するにはいいセレクトだったのではないでしょうか。
第5話の「指導」〜見守る
指導する立場になった5人の姿を毎回描いているのもサードシーズンの醍醐味です。
今回のテーマは「見守る」ではなかったでしょうか。
自分の初期治療で見落としがあったことを素直に認めることができなかったフェローの名取。白石はきつい言葉で指導してしまうも効果無し。
そんな名取の心を溶かしたのは,症状を見落としてしまった患者の一言でした。レスキュー隊員として仲間を救えなかったことを恥じるその患者から,
「言い訳をする人間に,命を預けたいと思うか? 人は,起きたことはすべて自分の責任だと言い切れる人間に命を預けたいと思うものだ。ドクターヘリだってそうでしょ?」
患者に「ミスしたのは自分です。」と告白する名取。それを黙って見つめる白石,藍沢。
いや〜,指導する立場って難しいですね…