贅沢だけど,これ,最高です!
以前にも土屋鞄製作所のバックを購入したことをブログでご報告したことがありましたが,実はそれ以後かなり土屋さんの製品が気に入りまして,相当無理して財布,バックを追加購入しておりました。
今回,気に入っていた「トーンオイルヌメ革」で製造させた文庫カバーを購入しました。金額的にはかなり迷ったのですが,いやこれ,最高です。
「トーンオイルヌメ革」と「オイルメロウレザー」「通常ヌメ革」の違い
ここで,土屋鞄製造所の革質の違いについてご説明します。
もちろん私が購入したものに限られるわけで,今回の文庫カバーに使用されている「トーンオイルヌメ革」と,以前購入した「2Wayトート」で使用されている通常の「オイルメロウレザー」に関してです。
①トーンオイルヌメ革
私,この革のなめらかさ,柔らかさ,表面の凹凸感非常に好きで,これまでに「ショルダーバッグ」と「財布」を購入しています。今回の文庫カバーで3点目となります。
届いた直後から柔らかく,手にフィットします。しかもオイルがたっぷりと染み込んでいるため,しっとり感まで感じられます。
また,革の表面のキズが目立ちづらくなっているので,財布や文庫カバーなど,頻繁に手にするアイテムに非常に適した革素材なのでは…と個人的に感じているところです。
②オイルメロウレザー
「Diario」シリーズに採用されている重厚感たっぷりの革です。
表面はすべすべのナチュラル風なのですが,通常のヌメ革との違いはその皮の厚さとオイルの量。厚みがあるためにしっかりとした重みを感じますし,触るとオイルで皮が満たされているのが分かるほど。
「表面の艶」ということに関しては右に出るものがないでしょう。
表面がナチュラルということは傷が付きやすいのですが,この革,オイルの量が半端ありませんので,多少のひっかき傷くらいであれば,布や指で優しくなぞることでびっくりするくらい目立たなくなります。
爪などでひっかいてしまった直後の「やっちまった感」は半端ないのですが,その修復力も半端ありません。安心して使える逸品です。
③ヌメ革(通常)
おまけに,購入してはいませんが比較のために…
土屋鞄製造所の文庫カバーは2種類あり,トーンオイルヌメ革の他に通常のヌメ革のものも存在します。
見たとおり,表面はナチュラル。しかし,前掲の「オイルメロウレザー」とは異なりますので,恐らく皮が薄く加工され,オイルの量も控えめなのでしょう。
私,他の会社のヌメ革カバーも使用していますが,やはり表面のキズには神経を使いますね。まあそこそこ修復も可能ですが,オイルメロウレザーほどではありません。
また,そのオイル量からでしょうか,表面の艶をキープするのがなかなか難しく,クリーニングやオイルケアをしていても,色味が薄くなりがちだと感じます。恐らくトーンオイルヌメ革であれば,使用感は増すものの,艶感はそこそこキープしてくれるのではないかと予想しています。
「トーンオイルヌメ アンティック文庫カバー」と過ごす至福のとき
というわけで,少々値は張りましたが,思い切ってトーンオイルヌメ革のブックカバーを購入。色は明るめのブラウンです。
土屋鞄製造所さんの製品は,明るめのブラウンと渋めのダークブラウンが用意されていることが多いのですが,ブラウンの方が先に売り切れになることの方が多いようです。
いや〜,いいですよ。
程よい革の厚み,柔らかさ,しっとり感…。どれをとっても一級品なのが私にも分かります。
「何でこんなに手にフィットするのか?」
と,よくよく見てみると,その秘密を発見しました。
カバーを開いてみたときの以下の3カ所。
ここが盛り上がっているのが分かりますよね。これ,もちろん新品状態ですので,決して使用して癖が付いているのではありません。
実はこのブックカバー,2枚の革を縫い合わせているようでして,わざと表面革のヌメ革をずらし,「たわみを作っている」のです。
わかりますかね〜。背面側,そして開く側の左右,この3カ所が盛り上がっているのが。
これにより,新品状態時から本を優しく包み込んでくれるのです。元々の革の柔らかさもありますので,本当に素晴らしい持ち心地です。
また,「たわみ」があることで,本を開いた際の持ち手部分が盛り上がり,立体的な持ち心地とでもいいましょうか,3D的,クッション的な柔らかさを生み出してくれるのです。
高級な文庫カバーでも「一枚革」というのが一般的だと思います。その革に厚みをもたせることで高級感を演出するのでしょうが,どうしても堅さが出たり,手のフィット感に違和感があったりするではないでしょうか。
その点から考えると,この商品のコンセプトそのものが非常に独創的なのだと感じさせられます。
確かに,文庫カバーに「13,500円」はお高い。でも,本好きであれば,投資するだけの価値は十分あるのではないかと考えます。
皆さんもこの逸品,どうですか?