映画化で話題に「九月の恋と出会うまで」
川口春奈さんのInstagramで,高橋一生さんとのW主演で「九月の恋と出会うまで」という映画を撮り終えたという話題を目にしました。
ちょっと調べてみると,松尾由美さんという方の作品で,原作本が発売されていることを知り,早速手に取ってみました。
読んでみると,ラノベ感覚ですらすら読めるちょっと不思議でピュアなLOVEトーリーでした。
「平野さん」が高橋さんのイメージにぴったり!
内容はというと,独特なアパートに引っ越した女性「北村志織」が,となりの部屋に住む「平野さん」という人物から,自分自身の尾行を依頼されるというなんとも風変わりなもの。
しかも,依頼した「平野さん」は,「自分は1年後の未来から語りかけている」と主張します。未来の新聞記事の内容を言い当てられ,半信半疑のままに「現在の平野さん」の尾行をする志織だったが…というお話。
またまたタイムリープものでして,これ自体は使い古された手法でおなかいっぱいなわけですが,「タイムリープの必要性」「おかしな尾行を依頼する理由」「果たして1年後の平野さんの正体は?」など,結構楽しめるものでした。
行き着く先は,ベタベタのラブストーリー(嫌いじゃありませんが)。上記の「謎」にも,切ない理由があるわけです。
読み進めると,ある伏線が理由で,
「なんだ,平野さんの正体,バレバレじゃん」
と思ったりしたのですが,意外とそれが裏切られたりして爽やかな結末となっていました。
読み終わって感じたのが,「高橋一生さん」起用の理由です。
いや,この「平野さん」,高橋さんが演じてきたこれまでの役柄のイメージにぴったりなのです!
自分自身に自信が無かったり,女性を前にするとグダグダだったり,坦々と会話したり,ちょっと謎めいていたり…。この点に,現在の「話題性」を加味すると,高橋さん「一択」といってもいい配役だったのではないでしょうか。
原作では,平野さんと志織は「同い年」という設定です。映画ではこの部分で大幅に修正が必要だと感じますが,まあ,年齢差が原作のよさを消してしまう要素にはならないでしょう。
恐らくホッコリとさせられるような映画に仕上がるのではないでしょうか。
もう一度読みたい文庫・恋愛部門第1位
ところで,原作本をヤフオクで手に入れたのですが,本の帯に「書店員が選んだ,もう一度読みたい文庫 恋愛部門第1位」と書かれておりました。
確かにこの手の「タイムリープもの」は,種明かしをされてから読み返すと,新たな発見があったりしますよね。個人的には「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」がその最たる例です。
「ぼくきみ」がそうだったように,もしかすると原作を読んでから映画を見るとすっきりしたりするのかもしれません。あっ,でも,本作はそれほど複雑なタイムリープものではないので,初見でも大丈夫かな…。
映画「九月の恋と出会うまで」は,2019年公開の予定です。