A12の性能アップは微々たるもの?
Apple初の7nmプロセスを採用し,鳴り物入りでiPhoneXSに搭載される「A12Bionic」。
早くもそのベンチマークスコア情報が入ってきています。そして,それらは非常に微妙な結果に…。
なんと,A11Bionicと比較しても「1割前後」しか能力が向上していないというのです!
肝心なのは「GPU」「ニューラルエンジン」
まずはそのデータを。
シングル,マルチのスコアは微増。
しかし,GPUを表す「Metal」の数値は4〜5割向上しているとのこと。
つまり,AR等のGraphic性能に特化したのが「A12Bionic」だといえましょう。
それにしてもシングル,マルチの伸びももう少し欲しかったですが…。
以前A12についての記事を書いた際は,
「これまで同様数十%向上」という説と,
「微増」
という説が混ざり合っている状況でした。
蓋を開けてみると「微増」だったということに。
って,実はそんなに簡単な問題ではなさそうです。
本当の主役は「ニューラルエンジン」
実は今回の「A12Bionic」の本当の主役は「ニューラルエンジン」だということです。
このニューラルエンジンは,画像や映像の様々な演算を司る中枢。
確かにAppleのHPでも,「ポートレートモード」に関することを非常に大きく取り上げています。
「輪郭処理が段違いによくなった」
「写真撮影後にぼけの奥行き調整ができるようになった」
これらは全て爆発的に性能が向上したニューラルエンジンのおかげだといいます。
当然これ以外にも,「適切な露出調整」「コントラスト」「発色」「ノイズ処理」等,これまでのスマホカメラには望むべきもなかった域にまで達している要素があるはずですね。
これは今から写真撮影が楽しみです。
Appleの明確な方向転換
これはAppleによる晶かな方向転換の意思表明だと捉えるべきでしょう。
これまでは闇雲に「目に見える性能」を追い求めてきましたし,我々ユーザーも,この点におけるAppleの優位性を誇りとする部分がすくなからずありました。
しかし,昨今Android勢の情勢を考えたときに,
「シングル,マルチ等に関しては勝って当然」
「それ以外の付加価値が付く分野での性能向上を図ることで,よりAndroid勢との差別化を図れる」
と思い立ったのではないでしょうか?
確かにこの分野は,人の創造性をかき立てる分野ですし,人が技術を活用できる分野です。
私なんももうすでに,
「iPhoneXSでのポートレートモードの作品を意識して残していこうかな」
なんて考えているくらいですから…。
どんな驚きが待っているのか。
もうすぐ会えますね。