こんな情報ありましたっけ?
本日,購入後目を通していなかった「MacFan11月号」の新型iPhone特集を読んでいたときのこと。
iPhoneXRの特集記事内に,非常に気になる一文を見つけました。
「iPhoneXRのポートレートモードは,人物限定となる」
というものです(55p)。
んっ?
こんな情報,これまでに発表されていましたっけ?
一応調べてみましたが,それらしい記事を発見することができず…。私の探し方が悪いのかもしれませんが。
でも,一応毎日いろいろなサイトを見てはいますので,私が知らないとなると,一般的な方々の大概は知らないことなのではないかと思われます。
これ,本当だったら,「一眼」と「二眼」での「ぼけ処理」における,決定的な違いになりそうです。
これまでの情報は…?
これまでの情報では…
・iPhoneXS系は,「望遠」と「広角」のダブルレンズを採用し,ポートレートモードでは望遠側のレンズを活用する事で,「ぼけ」を発生される。
(もちろんニューラルエンジンを最大限に活用して,被写体認識や背景との分離処理,深度処理等を行うことは当然)
・iPhoneXRにおいては,「広角の一眼でポートレートモード処理を行う」
(ただし,光学2倍ズームはなし,デジタルズームも最大5倍まで→XSは最大10倍,背面カメラでは3種類のポートレートライティングしか使用できない→XSでは5種類)
ということしか伝わっていなかったのではないでしょうか?
物理的に考えて,iPhoneXSにおける「望遠レンズ」を活用した「ぼけ発生」という考え方はごくごく自然です。
デジタル一眼でも,望遠レンズほどぼけが強く出ますので。
だからこそ,XRでぼけを発生させる理由が分からなかったわけです。
ニューラルエンジンの「力業」によるポートレート!
ここで先ほどのMacFanの記事に戻りますと,
「アルゴリズムによって画像から人物を認識し,背景と人物を瞬時に分離して処理する」
という記述があります。
つまり,「レンズ特性を生かす」ということではなく,あくまでもA12Bionicの「ニューラルエンジン」によって,「人物認知」「背景との分離」「背景ぼかし」という力業を行っているということ…,
正に仰天のシステムです。
しかし,だからこそ次の2点の制約が伴うのだということも併記されています。
①iPhoneXRのポートレートモードでは,被写体が「人物」に限られる
②iPhoneXSよりも半分の距離まで被写体に近づかなければならない
恐らく,ソフト的に人物認知を行っているために,人物そのものを大きく捉え,「顔」「身体」等を人間のそれと認知する必要があるのでしょう。
「顔」の目,鼻,口等の部分認知の制約が,iPhoneXSよりも非常に大きくなることから,人物以外の背景との分離が難しくなっているものと考えられます。
また,人物を大きく捉えるためにはiPhoneXSよりも被写体に近づかなければなりませんし,「広角レンズしかない」という現実からも,被写体と離れての認知には制限がかかるものと思われます。
iPhoneXSとの写りの違いと今後の発展が気になる…
次第にカラクリが見えてきました。
私のように,このポートレートモードを「人物以外にこそ使いたい…」と考えているものにとっては,iPhoneXSを選択して大正解ということになります。
逆に,私のような考え方の人がiPhoneXRを選択したときには大きな後悔が待ち受けている可能性が…。
だからこそ,「iPhoneXSとiPhoneXR」のポートレートモード比較は非常に重要となってきます。
はたして,
「本当にiPhoneXRでは,風景や物撮りにポートレートモードを使えないのか?」
「人物ポートレートでのXSとXRの画質に違いは無いのか?」
ということについては,私自身も非常に興味があります。
「iPhoneXRでカメラを楽しみたい」と考えている方々は,くれぐれも先走らないことをお薦めいたします。
また,このiPhoneXRの「力業」には,非常に可能性も感じます。
今後,「望遠レンズ」を必要としないポートレートモードが強化され,人物以外にも適応され,画質的にも遜色がないのであれば,iPhone本体の価格低下にもつながっていくことでしょう。
さらに,「被写体に近づける」という部分で,現在のiPhoneXSでは不可能な「マクロ的活用」も可能になってくるのではないでしょうか。
何しろiPhoneXSのポートレートモードでは,被写体から数メートル離れなければならず,「マクロ的なアップ」は難しくなっていますので。
さて,iPhoneXRはどのような評価を受けるのか…。
発売まであと僅かです。