「機能限定ポートレートモード」で果たして満足できるのか?
今年度の本命iPhone,iPhoneXRが発売され,様々なレビューが出されています。
個人的に意外なのが,高評価レビューが非常に多いことです。
もちろんiPhoneXRは優れた端末だとは思いますが,「廉価版」とされている割には価格が高すぎますし,ベゼルやディスプレイの性質などが根本的にiPhoneXSとは異なります。
また,iPhoneXS系での「売り」であったポートレートモード機能が人物のみに制限されるなど,気になる人には気になるというのが現実であり,中にはその「制限」が,iPhoneXSに目を向けざるを得ない決定打となることも少なくないと考えます。
もう少しiPhoneXRのデメリット部分をフォーカスした,ある意味平等なレビューがあってもいい気がするのです。
その「デメリット」を明確に意識した上でiPhoneXRを選択するのであれば,基礎体力がiPhoneXSと同等というコスパのよさを十二分に味わうことができる,いいチョイスになることでしょう。
そこで,今回はiPhoneXRの「人物限定ポートレート」に付いてもう一度考えてみたいと思います。
果たして本当にそれで満足できるのか?
幸せになれるのか?
両機種のポートレートモードを再検証
私が毎日欠かさずチェックさせていただいている「Appleが大好きなんだよ」さんの動画で,iPhoneXRのポートレートモードについて取り上げていました。
お待たせしました後編!iPhone XR実機自腹レビュー・カメラをX/XS Maxと比較/Haptic TouchやLINE/持ちやすさ<訂正版>
いや〜,見事に「人物」しか認識しないんですね,iPhoneXR。Appleの場合,これがいわゆる「ソフトウエア式」ポートレートモードの限界ということでしょう。
対してiPhoneXSであれば,風景にもポートレートモードは使えます。この点に関しては,本ブログでもこれまで記事にしてきました。
この「物撮り」「風景」にも使えるポートレートモードの意義について考えるために,再度撮影をしてきました。
iPhoneXSとフォト画像④
「黄と赤の帯」(iPhoneXS・広角モード,2倍光学ズーム)
まずは広角モードで。少し高い位置から見下ろすように。距離があったので光学2倍にて撮影。雨模様で曇りがちだったのが残念。
「迫り来る赤い矢」(iPhoneXSポートレートモード,F5.0に編集)
色づいた柿の葉。絞りを抑えめの5.0にすることで,葉と枝の直線的な繋がりが出た?
「黄色い山」(iPhoneXSポートレートモード,F2.2に編集)
絞りを開放気味にすることで,手前の色づいた葉と背景の枯れ葉をくっきりと分けることができました。
「赤い染み」(iPhoneXSポートレートモード,F2.8に編集)
これ以上絞ると枯れ葉がうるさくなり,開けると枯れ葉が敷き詰められている感じで出ない…。絞りをいじくる楽しさを味わえます。
※いずれもMac写真アプリでレタッチ済
ちょっとでも写真を楽しみたいのであれば…
いかがでしょうか?
以前はこのような楽しみ方をするのであれば,一眼レフが必要でした。
しかも,標準レンズであればある程度明るい高級レンズ,あるいは望遠レンズ,マクロレンズが必須。
これがなんとスマホでできるなんて,本当に信じられない思いです。
もちろん画質云々で言えばかなうはずもありませんし,iPhoneXSのポートレートモードは,うまく背景を認識しない場合があるという不完全さも持ち合わせています。
しかし,うまくはまれば,この程度は楽しむことができるのです。
このような楽しみ方が,iPhoneXRでは全くできない…。
少なくとも私にとって,それは絶望を意味します。
だって,上のような写真が,撮りたいときに,ポケットから出したスマホで撮れるんですから。
まあ,デジタル一眼をかじっている者として,後でMacによるレタッチという非常に簡単なひと手間をかけますが…。もちろんそれも楽しみのうちです。
決してiPhoneXRを否定しているわけではありません。
「写真を楽しみたい。」
というこだわりや興味が,ほんのちょっとでもあるのであれば,iPhoneXSを購入することを強くお勧めします。
「そんな面倒くさいことには全く興味が無い。」
「人物の写真しか撮らない。」
と割り切れる方であれば,iPhoneXRで幸せになれるのではないでしょうか?
ユーザー側の非常に明確な購入意図が,今年のiPhoneに関しては問われているのだと考えます。
★追記★