なんと! 楽天とKDDIが手を組む!
いや〜,驚きましたね。
なんと,楽天のタイアップ先は,予想されていたdocomoではなくKDDIでした。恐らく皆さんにとっても寝耳に水の情報だったのではないでしょうか?
先日,第4のキャリアとして楽天が参入することで,価格下げに期待ができること,しかし楽天の通信網整備に大きな課題があることを記事にしました。
その上で,docomoが来年の通信料大幅値下げを発表したこともあり,通信量,各キャリアの動向がきになるところでした。
そして導き出された一つの答え。
それが「楽天×KDDI」の構図。
発表されたのが,docomoの値下げ発表の翌日というのも,大人の事情を感じされるタイミングです。
恐らく水面下での丁々発止があったのでしょう。
楽天のメリット,KDDIのメリット
もちろん提携するからには双方に,小さくはないメリットがあるはずです。
まずは楽天側。
先日の記事にも書きましたが,楽天がこの度獲得した周波数帯は,所謂「プラチナバンド」ではありません。速度は期待できるものの,通信の安定性には欠ける,一時期のSoftBankのようなもの。
また,来年秋の開業を予定してはいますが,それまでに既存の三大キャリア並みの通信網を構築すること,天地がひっくり返っても無理です。費用的にも,時間的にも。
というわけで,楽天にとっては,当面の間は「他の大手キャリアの通信網を間借りさせてもらう」ことが必須だったわけです
当初はdocomoがそのパートナーになるという予想が主でしたが,どうやらそれは頓挫し,KDDIと汲むことになった模様ですね。
そしてKDDI側。
こちらは,楽天側がもつ「決算,物流」の基板を活用させてもらうことで,携帯事業と金融・物流事業との融合を狙っているようです。
素人考えでは,
「KDDIがもつ通信網の方が価値があるのでは…」
と考えてしまうのですが,そこはビジネス。KDDI側も楽天側から相当の譲歩を獲得しているということなのでしょう。
また,うがった考え方をすれば,
「KDDI側が楽天を取り込むことで,過度な価格競争を未然に防ぐ」
という狙いがあるのかもしれません。
菅官房長官や総務相からの度重なるプレッシャー。それも,第四のキャリアたる楽天が「低価格路線」を断行することが前提であるはず。
その楽天がKDDIの回線を使用することで,過度な価格競争を仕掛けづらくさせる狙いがあるとすれば,企業として非常に戦略的であると同時に,利用者に対しては「ずる賢い」という印象を与えてしまうものになるかもしれません。
また,楽天に対する見方としても,もしお安い料金体系を提示できなかったとすれば,
「KDDIと組んだために,価格競争を挑めなかった,だらしないキャリア」
という烙印を押されてしまう可能性があります。
「回線貸し」「物流連携」という互いの戦略と,料金の値下げとは切り離して考えること。
最終的には,それがKDDI,楽天が生き残る道へと繋がっていると考えます。
くれぐれもユーザー無視の方向へと舵を切らないことを願っています。
四つ巴の戦いの行方は…?
さてさて,この四つ巴ともいえる「価格戦争」の行方は一体どうなることでしょうか?
我々ユーザーからすれば,巨人docomoが,他のキャリアが否が応でも料金を下げなければならないようなプランをぶち込んでくれることを願うばかりです。
もしそこまでdocomoがやってくれた上で,他のキャリアが同調しないようであれば,個人的にauからdocomoに乗り換えてもいいかな,とさえ感じます。
それくらい今回の「KDDIと楽天の連携」は,諸刃の剣であるのです。