Appleが四半期業績発表(7月〜9月)
Appleが7月〜9月の四半期業績を発表しました。
総じて売上は好調のようです。前年同期比で20%の増。これだけ見れば何の不満もないように思えるのですが…。
しかし,その内容を見ていくと,やはりいつもの心配事に行き当たります。
「販売台数」と「売上高」の関係性
その「心配事」とは,販売台数と売上高との関係性です。
iPhoneでは,「販売台数が横ばいなのに売上が29%増」。
アップルの売上の多くを支えるiPhoneの販売状況が,昨今のAppleの方針を如実に表していますね。
それは,
「デバイスの高価格化」
です。
昨年のiPhoneX発表時,誰しもがその高価格に驚きました。
しかし,「iPhone10周年」を考慮した「プレミアモデル」としての位置付けや,初めて有機ELディスプレイを搭載したモデルであったことなどを鑑み,「許容された」と私は考えています。
また,iPhone8も堅調な動きをしたこともあって,ようやく「販売台数」は現状維持。高価格化されたiPhoneXの売上が加算されて,「売上高29%増」という高収益に繋がったのでしょう。
問題は次の四半期業績ですね。
iPhoneXSが発表されたとき,誰しもが「価格下げ」を予想している中での「現状維持」に,驚きの声が上がったということは有名な話です。
「果たしてこれで売れるのか?」
という疑問は,誰しもが感じていることでしょう。
また,「廉価版」として期待されたiPhoneXRは,思ったより「廉価」ではありませんでした。いえ値付けを考えれば十分高級機です。
さあ,この戦略が吉と出るか,凶と出るか…ですよね。
さらに!
Appleは,今後各デバイスの販売台数の公表を行わないことを発表しました。
記事内では,Apple側が,
「販売台数の重要性が薄れている。」
と述べていると紹介されています。
私,これは,Appleが,
「高価格化によって販売台数が減っているのに,売上の帳尻が合っている」
という現実を覆い隠すための詭弁だと考えています。
販売台数は「減少」すると予想します!
次の四半期業績では,
「iPhoneの販売台数が減少する」
と個人的に予想します。
今年のiPhoneXSの予約販売の不振ぶり,そして期待以上動きの悪かったiPhoneXR。
話を聞いたショップの店員さんも,あまりに売れなくて頭を抱えていたようでした。
そして,「最後の一撃」という感じで,その売れ行き不振ぶりが明らかになったことを,先日お知らせしました。
だとすれば,当然「販売台数」に関しては,前年同期比で減少になることでしょう。
(投げ売り状態のiPhone8が,台数に寄与することがあるかもしれませんが…)
問題は「売上高」とそれに対するAppleの見解です。
果たして,販売台数が減りながらも,売上高をキープできるのか?
今回のデータを見ると,販売台数が同じでも,売上が3割アップしているということは,余程のことが無い限り,売上高が目減りすることがないように感じます。
しかし,これがもし「減少」ということになれば,一気にAppleの立場が悪くなりますね。Appleの「高級化路線」が否定されたということですので…。
また,仮に売上高が好調をキープしたとしても,それをAppleが当然のこととして捉えてしまっては,中期的視野で見ると,この先厳しくなるのではないかと考えます。
やはり,現状のiPhoneの価格は高すぎますよ。
これを当たり前として今後進んでいくようであれば,
「iPhoneは魅力的だが,もう付き合えない。」
「もうiPhoneの最新機種はありえない。旧機種で十分。」
「新機種は無理。このまま現在の機種を使い続ける。」
といった,Appleにとっては好ましくない考えに及ぶユーザーが増加していくように思えます。
それでもあえて高級化の道を行くのか?
Appleの「対中華勢」の対策が,この「高級化路線」なのか?
果たしてそれは間違っていないのか?
次回の四半期業績発表が待たれます。