この品質を普段使いできる喜び
土屋鞄製造所の大ファンとして,そのサイズラインナップを考慮して「トーンオイルヌメ ボディーポシェット」を購入し,クリスマス限定色の「チムニーグレー」の製品が届いたということはすでにお伝えしました。
今回はそのレビューとして,製品の細部のつくり,使い勝手などのレビューをお届けしたいと思います。
つくりはさすがの「土屋品質」
この鞄を手にしてもまず感じるのは,そのなんとも言えないサイズ感のよさと,革質のよさ。そして,それを支える縫製の確かさです。
「トーンオイルヌメ革」自体は,財布,ショルダーバッグ,文庫カバーですでに体験済みなわけですが,今回のボディーポシェットは,正に「直方体」として形取られたそのフォルのせいか,実に「がっしり感」を感じます。
しかし,革本来の特質である「程よいしなやかさ」「適度な表面の張り」という長所は全く損なっておらず,
「鞄の形状によって,こんなにも革の感覚が変わるんだなあ。」
と,新たな発見をした思いでした。
縫製の確かさに関しては,土屋さんの製品に裏切られたことはなく,本当に信頼できるものです。丁寧に,そして無骨なほどに頑丈に縫い付けられていることが見た目だけでも伝わってくるほど。
そして,それがどんなに細かい部分においても感じられるという点が秀逸。上部に掲載した正面からの写真でも,それが伝わるかと思います。
さらに,底,ベルト,バックル部分。
どこを見ても,触っても,幸せになれそうなわくわく感。
日常使いを意識しているであろう,ベルト部の革と布の縫合も見事。布生地の素材もしっかりとしていて安心できるものです。
もちろんベルトは,無段階で長さ調整が効きます。
よって,背中に回したり,中のものを取り出す際に胸の前に移動させたりと,その動きも自由自在。またも,季節によって羽織る上着の厚さに合わせ,任意に長さを変えることができます。
注意ポイントとすれば,肩掛けにする際,通常のメッセンジャーバッグとは逆で,「右肩にベルトを掛ける」ようにした方が使い勝手がいいということ。
自転車乗りを意識したメッセンジャーバッグにおいては,ベルトをしっかりと身体に密着させるために右脇下部で締め付ける必要があるので,右利きの方であれば左肩にベルトを回し,右脇でベルトを締めます。
しかし,本製品は,バッグ本体のジッパーが「右下側」に向けて開くような構造になっています。
そのため,通常どおりの左肩掛けにすると,開放口が下側を向いてしまい,チャックを開いたときに中身がぼろぼろと落下する恐れがあります。
よって,右肩掛けを強くお薦めします。
つまり,下の2枚の見本写真では,1枚目のように掛けるのは実用的ではないということです。
そして,思ったより入るいつもの土屋構造!
そして,これは「到着時」の記事にも書きましたが,思ったより大容量です。
土屋さんの製品でいつも感じることなのですが,今回のボディーポシェットは,形状が「直方体」に近いため,その感覚がいつもよりも強い印象です。
商品ホームページに「ペットベトル2本が入る」とありましたので実際にやってみると,正にその通り。
これでも厚さ的には余裕があり,文庫本程度であれば入りそうな感じです。ただの「小型のボディーポシェット」となめてかかると,いい意味で裏切られること請け合いです。
これだったら,文庫本,財布,音楽用DAP,スマホといういつものセットを入れてもまだ余裕。さすがに文芸本サイズは入りませんが,ミニマムの持ち物で出かけたり,結構なものを詰め込んで出かけたりという,広い選択肢が生まれそうです。
そして,内装の革。色がよくないですか?
この薄いグリーン。これも,外側の「チムニーグレー」同様の限定色「コバルトグリーン」です。ジッパーを開けるたびに幸福感に浸れそうな予感。
最後に唯一の欠点を。
上の写真でも分かるとおり,内側にスマホ等が入るポケットが付いているのですが,これ,サイズ感が微妙です。
私のiPhoneXSで本当にぱっつんぱっつんのギリギリ状態。もちろんiPhoneXS Maxは入りません。
近年はスマホの大型化がものすごい勢いで進んでいますので,すぐにでもポケットの大きさを改定した方がいいと思われます。
私はこのポケットに入れようとは思いませんので構いませんが…。
外側の高級感とは裏腹に,気軽に,ラフに,ポンっと放り込むのが土屋鞄の使い方だと思っています。だって,内部の仕切りなど無く,「一つの空間」として鞄の内部が構成されているものが多いのです。土屋鞄の製品って。
さて,このボディーポシェット購入で,サイズ的にも「完結したかな」と感じていますので,しばらくの間は「大物」を購入することは無くなるかもしれません。
しかし,何か気になる小物が出れば,また欲しくなるかもしれません。
いずれにしても,土屋さんの製品との関わりは今後も続いていきます。
そして,今回のボディーポシェットは,今後一番付き合う回数が多くなること必然。
よろしくお願いしますよ,チムニー君。