音質に満足したので,安心して「その他の項目」ご紹介
いや〜,よかった。
半ば「博打」のような気持ちで購入した「MOMENTUM True Wireless」。
紆余曲折を経て,壮絶な(?)エージングとの格闘の末,納得のいく音質を手に入れることができました。
もちろん更なる高音質化のために,DAPの相性(これまでの音質評価は全てiPhoneXSを利用してのもの),イヤピースの交換等,今後も継続して試していきたいとは思いますが,とりあえずは音質については「一息つける」状況になりました。
そこで,本機の「使い勝手」の面をご紹介していきたいと思います。
音に関する使い勝手
これまでのレビューでは,本機「MOMENTUM True Wireless」の音の実力,およびその実力を引き出すための手立てを中心に書いてきました。
今回は「音関係」の使い勝手についてまとめます。
①イコライザー
様々な本機のレビューを見ると,
「イコライザーがスゴイ!」
という記事が多数見られます。
ゼンハイザーでは,スマホ用アプリとして「Smart Control」をリリースしており,この中から様々な設定が可能です。
その設定の1つがイコライザーです。
この「Smart Control」のイコライザーですが,従来の周波数ごとに調整するというものではなく,イコライザー内の「ポイント」を移動させることで,全体の調整をアプリが自動的に行ってくれるような仕様になっているようです。
これ,「行ってくれる」ということは,自由度が極端に下がるわけでして,私は非常に気に入りません。「自動モード」と「マニュアルモード」の両方を提供してくれているのであればいいのですが…。
今のところ,私は本機の「低音不足」「ボーカル帯の引っ込み」という弱点を補強するため,以下のように設定しています。画面中央の小さい「黒点」レベルが,所謂デフォルトの位置です。
中央部の「〇」が,移動させる「ポイント」です(正式名称は分かりませんが…)。
これを移動させることで,青い曲線が「連動して」動くわけです。
この「連動」がくせ者でして,中音を上げると高・低音が自動的に下がってしまったりと,全く思い通りに行かない代物。残念。
まあ,この設定でも個人的に納得できているのは,本機の高音がシャリ付き気味であり,高音部分を上げようという気にはならないためです。
また,このイコライザー,性能的には非常に怪しいです。
いじりすぎると「MOMENTUM True Wireless」の音の軽さ,シャリ付き等の「アラ」がひょっこりと顔を出します。
「微調整」に止めておくのが得策です。
こちらに頼り過ぎるよりも,以前に書いた「本体の挿入の仕方」や「イヤピース」による音質変化に目を向ける方が,「MOMENTUM True Wireless」のよさを殺さずに好みの音を追求することができると確信できます。
②音量(効率)
この「MOMENTUM True Wireless」,音量が取りづらいです。
特にエージングが済んでいないうちは低音が全く出ませんので,その傾向が強く出ます。
こなれた後でも,これまでのAirPodsと同程度の音量を出すためには,レベルを相当上げなくてはなりません。
また,AK120Ⅱでは,これまでに見たことに無いようなボリュームまで上げなくてはなりませんでしたので,相当効率が悪い部類に入りそうです。
③音量調整
本機は,左右の操作パネル(本体の銀色のシェル部分)を触ることで様々な動作を行うことができます。
この点の詳細は後日お知らせしますが,今回は「音量調整」について。
右側の操作パネルを「長押し」で音量アップ,左側の操作パネルを「長押し」で音量ダウンとなるのですが,その変化が急激すぎです。
油断していると一気に爆音になってしまうことがしばしば。
また,「微調整」は期待できません。
ということで…。
私はこの操作パネルによる音量調節は使い物にならないと判断しています。Apple Watchを使用している身とすれば,「音量はWatchで調整する」と判断した方が,精神安定上好ましいでしょう。
しかし,Watchでの調整でも,微調整で暴れることがあります。
AirPodsでは本当に思い通りに調整できるのですが,本機では音量変化までに一瞬のタイムラグがあったり,やや急激に変化したりといった現象がついて回ります。
まあ,操作パネルのときほど急激なものではありませんので,実用上の問題はありませんが…。
こんなところで,Apple製品同士の相性のよさを再確認できるのは皮肉な感じもします。
④遮音性
曲をかけている際の遮音性は,AirPodsに相当劣ります。
あっ,これ,私の耳の場合です。
イヤピースと耳の接着具合によって,当然かなり印象が変わってくるでしょう。
しかし,イヤピースが耳に接着しすぎると,一気に低音ボワボワ,定位が乱れまくり,というのが本機の特徴のように感じていますので,遮音性を求めるために強く押し込みすぎるのは,せっかくの本機のよさを潰してしまうことになるのではないかと予想します。
まあ,それでも外部の音が気になりすぎるということはありませんので,許容範囲です。
しかし,この点についても,AirPodsって不思議な機種だと感心させられます。
カナルタイプでもないのに,音を流してしまうとかなり外部の音を遮断しますし,外部の音が入ってきても,流れている音楽の邪魔をしないようになっているんですよね。「耳の中での音の広げ方」が非常に上手なのでしょう。
「ながら」で聴くときや,「運動時」には,AirPodsに適うものはないように思えます。「ズレ落ちにくさ」もなぜかトップですし。
「軽い」「本体が小さい」って,完全ワイヤレスイヤフォンにとっては「正義」です。
ワイヤレス機は操作面で発展途上…
以上,「音」関連の使い勝手編でした。
感じるのは,やはり完全ワイヤレスイヤフォンにおける操作面では,未だ発展途上と感じる部分が多々あるということです。
さて,次回は,「音以外の使い勝手編」をお届けします。
こちらもご期待ください。