ついに数字になって突きつけられる現実…
散々言われ続けてきました。
iPhoneXS,iPhoneXSPlus,iPhoneXRの売上げ不振です。
本サイトではこれまでも,その「不振ぶり」について重ねてお伝えしてきましたし,その原因が「価格」であり,それがユーザーに受け入れられなかったためであると論じてきました。
また,これと連動する形で,Appleはこれまで発表していた各デバイスの「販売台数」の公表を今後行わないことを発表しました。
「販売不振を隠蔽するためではないか?」
と誰しもが考えたわけですが,どうやらそれだけでは今回の販売不振を隠し通すことができなかったようです。
なんと,「売上額」も5%の減少で,業績予想を下方修正です。
「販売台数」と「売上高」の関係
まずここで抑えておきたいのが,「販売台数」と「売上高」の関係です。
ここ最近のiPhoneは新機種が発表されるたびに高価格化し,正に「プレミアム路線」を進んでいます。しかし,スマホが全世界的に普及し,その技術革新が頭打ちになる中,今話題のHuawei等の中華勢が台頭し,AppleもHuaweiに追い越される羽目になってしまったのが2018年でした。
そんな中,iPhoneとしてみると,「販売台数」は横ばいなのに対し,「売上高」は上昇するという奇妙な現象が起こっていました。
その原因は,それこそiPhoneの高価格化です。
端末の価格が上昇したことで販売台数は伸びていなかったものの,昨年のiPhoneXのようなプレミアモデルがそこそこ売れたことで,「売上高」は順調に伸びていたのです。
恐らくAppleは,この路線で「いける」と判断したのでしょう。
世間一般では「価格下げ」を予想されていたiPhoneXS系の価格を高止まりさせ,「廉価」とされていたiPhoneXRの価格を高めに設定しました。
その結果がこのザマです。
代わり映えしない筐体や機能への高額な投資は避けられ,廉価でない廉価版iPhoneの販売は伸びませんでした。
「販売台数が伸びなくても,高価格モデルがそこそこ売れればいい。」
というもくろみが外れ,
「目標の売上が確保できないほど販売台数が伸びなかった」
ということでしょう。
まあ,中国との微妙な関係も影響があったかもしれませんが,より大きなウエイトは「価格」の問題にあると考えます。
2018iPhoneの歴史的な不人気ぶりが,皮肉にも「売上高しか発表しない」としたAppleの方針によって際立ってしまった格好です。
今度はiPhoneXSMaxの不振が際立つ
ここに来て気になるニュースも入ってきました。
これまで最も順調と思われてきたiPhoneXSMaxが極度の不振に陥っているというのです。
「減産」という情報ではもはや驚かないのですが,Maxにこのような大波が押し寄せているとは予想しませんでした。
その原因を考えると…。
恐らく,販売当初は,その画面サイズに魅力を感じて「いくら投資してでも手に入れたい」という層に人気があったMaxも,その層への販売が落ち着いてきた現在,
「いくら何でもMaxは高すぎるよ…。」
と,その他の一般のユーザーから敬遠されているということなのでしょう。こちらもやはり「高価格」が足を引っ張っている形です。
いよいよ出口が見えなくなってきました。
新型発表までまだ9ヶ月ある中での売上減。
Appleが現状から脱却する術はあるのでしょうか?