iPhone,中国で更なる価格下げの情報
全世界的なiPhone不振,特に中国での不振ぶりが大きいことは以前からお伝えしています。
また,先日中国国内でiPhoneの価格下げを行ったところ,急激にその売上げが回復したということもお伝えしました。
その「下げ幅」は「6,300円〜7,100円」ほどと,それほど大きくはなかったわけですが,その爆発的な販売増と,「iPhone不買」まで唱えていた中国人の態度の豹変ぶりに驚きました。
さて,そんな中国での急展開に味を占めたのかは分かりませんが,Appleが中国国内において,iPhoneの更なる値下げを考えているという記事が来ています。
中国の「特別扱い」は許されない
前回の値引きは,「為替の変動を鑑みた」地域格差の是正という位置づけで,中国以外にも値引きが行われた国が存在しました。しかしまあ,「中国ねらい」であったことは明白ですが…。
今回の記事で気になることが2点あります。
①「中国限定」の値引きか?
まず,今回の値引きが「中国限定」か否かという点です。
前回は「為替変動」を大義名分として,中国以外の国も加わった値引きとなりましたが,今回はどうでしょう。
今回の記事では「中国での…」となっている点が気にかかります。
もし「中国限定」での値引きということになれば,世界的な不満が高まるであろうことは容易に想像できます。ただでさえ高額だと感じている新型iPhoneを購入したユーザーにとって,一部のユーザーだけがApple公認で優遇されることは看過できないでしょう。
また,それ以上に,価格的にも「世界共通で独自の道を行っていた」Appleが,露骨な忖度ぶりを見せるようであれば,Appleブランドに傷がつくことになると感じます。
②値引きの「理由」をどこに求めるのか?
こちらも,Appleの信頼性に関する問題。
今回も「為替」を持ち出すのでしょうか?
日本であれば,もちろん1ドル80円台の円高の時代には相対的に現在よりも安価にAppleデバイス,アプリ等を購入できていました。
しかしその後円安になり,1ドル110円〜という展開になるや,日本でのAppleデバイス価格は一気に数万円値上がりしたことを記憶しています。
変動為替ということはつまりそういうことであり,Appleはこれまで,この点に関して独自に「手当」することはありませんでした。つまり,
「為替に応じて自分たちの利益はいただきます。買えないのだったら買っていただかなくて結構」
というスタンスだったはず。
今回,中国を優遇する値引きを行うのであれば,円安になっている日本でも,同様に価格を下げていただきたい!
中国のみを特別視するようなやり方は,認められるはずがありません。
全世界的な「価格下げ」が一番
私は,Appleが,今回の業績不振が「価格設定のミス」であることを率直に認め,全世界的に「100ドル値下げ」を行うことが最善策だと考えます。本当はiPhoneXS発表時に提示すべきだった条件です。
しかし,これからでも遅くはありません。
地域限定で値引きを行ったり,各種キャンペーンを乱発したりして不公平感を高めるよりであれば,Appleらしく,「公平に」「正々堂々と」値引きすればいいのです。
もし値引きを行っても,決して「ブランド力低下」には繋がらないでしょう。むしろ,このような企業姿勢は,評価を高める結果になるのではないでしょうか?
また,業績的に見ても,悪くはないのでは…?
高価格で売れない現状と,価格を下げて販売台数を増やす未来…。
私,経営等の知識は全くありませんが,Appleにすると,どちらが好ましいのでしょうか? 少なくとも,現状,販売不振を「価格下げ」で乗り切ろうとしているAppleの姿勢を考えると,「販売台数を増やすこと」に重きを置いているように感じられます。
だとすれば。
答えは明白でしょう。
ユーザーも,もう少しお安いiPhoneを希望している。
Appleも,販売台数を稼ぎたい。
じゃあ,安くすればいいのでは?
一筋縄ではいかない事情がもちろんあるのでしょうが,考え方は結構シンプルなのでは…と,素人ながらに考えたりします…。