「USB-C化」の噂が一転…
「2019iPhoneは,マイナーチェンジモデル」
当初からそのような情報が出回り,
「ビッグチェンジは2020年」
ということが既成事実のように一人歩きしています。
しかし,恐らくそれは事実なのでしょう。
5G化,Touch ID内蔵ディスプレー,ノッチの処理,折りたたみ化,5nmプロセスルール新Aチップ…。
どれをとっても恐らく2019年には間に合いそうもない事柄であり,どれもが2019iPhoneの危うさを物語っています。
チップ性能以外は,どんどんAndroid勢に先行を許す「じり貧状態」であることは明白なわけで,危機感を感じるなと言うのが無理な話です。
そんな中,これまで噂されていた「USB-C化」さえも消えようとしています。主要な変更とは言えない部分ではありますが,その裏側を知ったとき,
「Appleはそんなに余裕がないのか?」
「自分たちの方針に矛盾は感じないのか?」
「ユーザーの立場を考えていないのか?」
などと,次々に疑問が湧いてきました…。
「整合性の無さ」が危機的状況に
そもそもAppleにとっての「USB-C」といえば,2018年に刷新されたMacBookProが真っ先に思い起こされます。
利点はあるものの,従来の「USB-A」との互換性がない新端子への移行に関して,どのメーカーも二の足を踏む中,Appleは「断行」しました。
「USB-A」を残さず,全ての端子を「C化」したわけです。
正にそれは劇薬で,「C化」を一気に推し進めようとするAppleの思惑とは裏腹に,周辺機器の利用等に関してかなりの不都合を生んだことも事実です。
しかしまあ,その後,Appleが責任を持って「C化」を推し進めてくれれば,ユーザーとしては文句はありません。もちろんMacだけではなく,iPhone・iPadに関してもです。
新型iPadProは「C化」しましたが,問題はAppleの屋台骨を支えるiPhone。こちらがLightningを継承するのでは話が違うというものです。
しかも…。
今回の記事によると,その理由があまりに情けない。
技術的な問題であればまだ分かりますが,コストに関する大人の事情のようですね。
記事に紹介されているLightning継承の理由は…。
・今後発売されているAirPowerが7.5Wであり,その優位性を担保するため
・「C化」すると,Apple USB-C ケーブルに加え,新しくEarPods with USB-C Connectorを同梱しなければならない
・USB電源アダプタもApple 18W USB-C電源アダプタに変更する必要が生じる
ということです。
いやいや待てよ,という話です。
コストがかかることは,「C化」を推し進めた段階で当然考えていたことでしょう?
その動きを今になって減速させるなんて,天下のAppleがやることではありません。しかもその理由がコスト面だなんて…。
つまりAppleは,自分たちの方針を堅守したり,ユーザーへの責任を果たしたりすることよりも,自分たちの「都合」を優先させてしまったということです。
残念です。
だって,Android勢はどんどん「C化」を進めてますよ?
自分たちが手をつけた端子に関してもやすやすと「逆転」を許しても平気なのですか?
個人的には,製品や技術の問題よりも,「整合性のなさ」を重要視していないAppleの態度が気になります。
大企業の「責任」と「保身」
Appleほどの超大企業ともなれば,この言動の一つ一つに「責任」を取らなければいけません。
しかしもちろん,一つの大きな選択ミスが世界に与える影響も甚大ではないわけです。2018iPhoneの価格設定がそのいい例です。
「保身」を考えつつも「責任」果たすことが難しいことだということは容易に想像が付きますが,それでも,Appleはその道を進まなくてはいけないのだけと考えます。
それができなくなったとき…。
それは,Appleが「並みの大企業」へと格下げされるときなのではないでしょうか?