「王者」現る!
昨年度来からの「スマホカメラ戦争」。
「スマホ」というデバイスが「当たり前」のものとなり,性能・技術面でも行き詰まりが見られる中,スマホ本体以外の付加価値部分にスポットが当てられるようになってきたことに関しては,本ブログでも度々話題にしてきました。
そして,その中心となっているのが「カメラ」です。
この「カメラ」部分において,昨年度の改定時に話題になったのが「ポートレートモード」でした。
iPhoneもNEURALEngine圧倒的なパワーで健闘しましたが,Googleが主導するAI解析によるPixel3のポートレートモードや夜景モード,HUAWEIが主導する「多眼レンズ」を駆使した完成度の高い画像と比較すると,残念な部分が多々あることも事実です。
そして,この分野でダントツの性能を見せつけているのがHUAWEI。
名門LEICAての提携もあり,
「昨年度のHUAWEIフラッグシップ機のカメラ性能に,2019iPhoneの3眼搭載機でようやく追いつくのでは?」
と揶揄されるほどの無双っぷりを発揮しています。
そんな中,HUAWEIの次期フラッグシップ機, Huawei P30,P30 Proの詳細な情報がリークされています。
今年のウリは10倍ズーム
昨年度の「ポートレートモード」に対し,今年度の話題の中心は「10倍ズーム」となっています。
いかに高倍率に,しかも画質を落とさないで撮影できるかが鍵を握るわけです。
これまでは倍率を稼ぐために「デジタルズーム」を使ってきました。しかしデジタルで機械的に拡大していくわけですので,画質は相当に劣化します。
この「劣化」を防ぐためには,ズームレンズを用いた「光学ズーム」を駆使する必要があるのですが,一眼レフの世界でも「明るいズームレンズ」は目玉が飛び出るくらいの値段がするのです。
また,あくまでも「超小型」のスマホレンズに,「超大型」の光学ズームレンズを搭載すること自体が無理な話なわけで…。
それを解決する手段として,前掲の記事には「ペリスコープカメラ」というアイデアが紹介されています。
記事によると,
「ペリスコープとは潜望鏡。転じてペリスコープカメラとは,潜望鏡のような屈折光学系(入ってくる光の方向をプリズムなどで曲げた)カメラを意味する」
とのこと。
さらに,仕様一覧を見てみましょう。
ここでの注目は,リアカメラの部分。
望遠に関して「8MP f2.4」となっています。
もともとは「40MP」もある画素の中で,望遠時はその「1/5」の画素数になるということ。
ここで,この「1/5」に関しては次のような2通りの考え方があるのではないでしょうか?
①「ペリスコープカメラ」を活用して画素全体のイメージを「1/5」に縮小させることで,画質の劣化を目立たなくさせる。
②「ペレスコープカメラ」を活用して画素の中心部のみをクロップ(トリミング)する
②の「クロップ撮影」は,デジタル一眼黎明期の「Nikon D2x」でも活用されていました。この機種,私も使用していましたが,画素数は少なくなるものの,こと望遠ということに関しては最強の機能でした。
このときは,「1,200万画素」を「600万画素」で切り取っていたと記憶しています。
むりやり画素全体を圧縮するよりも,中央部分のみを切り取った方が,チップにかかる負担もかなり少なくなるのではないでしょうか?
どうせ「40M→8M」という画素減少を前提とした「光学10倍ズーム」を考えているのであれば,私は②の考え方を駆使した方がいいのでは…と考えます。
さて,正体やいかに?
スマホカメラの規準をHUAWEIが打ち立てる時代に…
以前であれば,スマホに関連した様々な要素に関し,「iPhoneにならえ」という市場の動きでここまで進んで来ました。
しかし,数年程前から,明らかに様相が変わってきましたね。
各メーカーがそれぞれの得意分野をもつようになり,中華勢が急激にその力を伸ばし…。
今回のP30とP30 Proの登場で「光学ズーム」に関する常識が再構築されていくことになるかもしれません。
さて,iPhoneは追いつけるか?
非常に心配展開でもあります。