大きく進化したが「買い換えなくてもいい」と思わせる初代の神機ぶり
昨日AirPods(第2世代)を手にし,ファーストインプレッションという形で記事を書かせていただきました。
それでですね,最後に結論を書かせていただきました。
「買い換えなくても十分」
と。
誤解がないようにかきますが,もちろん第2世代は大きく進化しています。しかし,一般のユーザーにとって,その「伸びしろ」や「進化した方向」の多くが,
「第1世代で十分なんじゃない?」
と感じるはず…と考えたのです。
まあそれだけ,「初代」がすでに完成に域に達した段階で世に出た…ということなのだと思います。
今振り返ると,初代は正に「神機」と言えるでしょう。
さて,ではどこに「買い換えるほどはない…」と感じされる理由があるのか。
大きく3つに分けて書いていきます。
使い勝手が激変することはない
①音質
こちらについては,Appleのマーケティングやエンジニアが,
「音質は初代と変わらない」
と明言した記事を,以前ご紹介しました。
それで…。
当然実際に聞き比べてみるわけです。恐らく多くの初代持ちユーザーの方が私と同じようにしたはずです。
私の勘感覚では,
・全体の音質傾向は変わらない
・初代の方がまろやかに聴こえる
・第2世代は角がある感じ
・恐らくエージングの結果(AirPodsにもエージングがあるんだ…!)
というところです。
初代の方は「まろやか」あるいは,「低・中・高」が自然に繋がって聞こえる感じです。
対して第2世代は,「低・中・高」のそれぞれが主張している部分があるということ。恐らくエージングを経ると,初代のような自然な繋がりの音に仕上がっていくと思われます。
この段階での音でいえば,「初代」の方が好みです。高音の出しゃばりがなくなって,中音が聴き取りやすいのが大きいですね。
ここで感じたのが,
「AirPodsでもエージングの効果があるんだ!」
と分かったこと。
当然のことかもしれませんが,これまでEarPodsでは気にして事がなかったので,新発見でした。
昨日,AirPodsのファームウェアアップデートがあり,「音質がよくなったのでは?」という声が上がっているようです。
私も早速アップデートして聞いてみましたが,どうでしょう?
「気のせいレベル」でしかないような気がします。
いずれにせよ,「音質目的」で買い換える必要はなさそうです。
②接続速度
各デバイスへの切り替え,接続に要する時間が大幅に短縮されたというのが,H1チップの大きな売りになっていますね。
私も初代と比較してみました。
まあ,「速くはなっているかな…?」
という感じ。
感動的なほどには至らない原因が,接続までの時間ムラにあります。
第2世代でも,初代よりも時間がかかるような場合もある訳です。当然平均すれば第2世代が圧倒するのだとは思いますが,こちらも「瞬間的に繋がる」というスピードではないたため,
「初代と第2世代の違いをブラインドで当てることさえ難しいのでは…」
と思われます。
実際,「AirPodsの接続で一秒を争う場」というのも想像することができませんので,それほどの問題もないかと…。
③レイテンシ(遅延)は依然として残る→実用上微妙なレベル
最も私が気になっていたのはここです。
AirPodsの遅延が気になって,あえてイヤホンジャックのある「iPadPro10.5インチ」を選択したくらいですので。
あっ,もちろん価格面も大きかったのですが,むしろ,
「今買っておかないと,今後の新iPadから全てイヤホンジャックがなくなるかも…」
と考えたことが大きかったですね。
今回のAirでもイヤホンジャックがありましたので,一安心でしたが…。
さて,「最大30%減少」したという第2世代のレイテンシですが,まだまだ問題ありです。
具体的にいうと,iPadでの動画視聴の場面です。
・初代→台詞が明らかに遅れて聞こえてくるため,動画視聴には向かない
・第2世代→かなり改善されてはいるものの,「若干」の遅延は確実に存在する
この「若干」という部分がくせ者。
気になる人には気になるレベルとして残っているんですよねえ。
私は個人的には「慣れれば何とかなるかな…?」というレベル。慣れなければ潔く有線に戻します。
また,「ピアノ」「エレクトーン」などの再生動画もよく見るのですが,こちらは全くダメです。第2世代でも。
キータッチと音のズレは,台詞のズレよりも許しがたいものものがあります。
また,テンポの速い曲ですと,指がものすごい勢いで動くため,目で追っていると音との違いに頭が混乱するレベル。これは無理です。
う〜ん,第2世代にすることで,「AirPods一本化」を図ろうと考えていたのですが,難しそうです。
ということは,レイテンシに期待して買い換えようとすると,後悔する恐れが残ります。それよりだったら買い換えずに「第3世代」まで待つという考えもあるかと思います。
意外! Macでは遅延なし
また,意外だったのは,iPhoneXS,iPadPro10.5インチでの動画視聴では,上のような遅延が確認されたのに対し,同じYouTubeやTVerの動画をiMacで試聴すると,遅延は全く気になりませんでした。
なんなんでしょうね?
一般的にはより親和性の高そうなiPhoneやiPadの方が遅延がなさそうなものですが…。
ここまで,AirPodsの実際の活用場面を想定した場合,「過大な期待はご用心」ということをお伝えしてきました。
金額も金額ですし,来年度にはビッグチェンジの噂もありますので,「待ち」も検討する余地があるかと思います。
次回は,「遅延」に関する一考察と,もうひとつの気になることである「Qi充電」に関して書かせていただきます。