魅力が感じられないラインナップ
最近,魅力的な連ドラがなかなか出てきません。
今年の第1クールもそうでした。
殆どが刑事ものかリーガルもの。民放の「安定志向」もここに極まれり…という感じでした。まあ,一定の視聴率が期待できてコスト的にもバカ高いものにはならないという点で計算は立つんでしょうが,前クールはやり過ぎでしたね。
そんな中で光っていたのが「3年A組」と「ハケン占い師アタル」でしょうか?
「3年A組」の最後まで展開の読めないストーリーは秀逸でしたが,最後の少々理屈っぽい終わり方は,
「もう少しひねりようがあったのでは…」
と感じたりもします。
また,「ハケン占い師アタル」では,杉咲花さんの魅力が爆発で,バラバラだったチームが次第にまとまっていくというありきたりなストーリー展開をカバーしていたと思います。
しかし,近いところでいえば「逃げ恥」「義母むす」「カルテット」のような,「心に響く・心躍る良作」にはなかなか出会えていません。
めっきり少なくなったラブストーリーものでは,「初めて恋をしたときに読む話」は深田恭子さんの演技と教え子とくっつくというストーリー展開に難があるように感じましたし,「僕の青春をキミに捧ぐ」は展開があまりにベタすぎて少々胃もたれが…。
刑事物,リーガルものであれば,相当に他作品との差別化がなされるものでないと心に残りません。
また,ラブストーリーものであれば,脚本と演者との息が合わないと,「獣になれない私たち」のように受け入れてもらえません。
…と考えながら,この春からの第2クールドラマを眺めてみると…。
う〜ん,
「これ,絶対に見逃せない!」
と思わせるものが,ひとつも見当たりません。「ひとつも」です。
これ,異常事態です。
「ありきたり」「ストーリーが読める」「キャスティングに期待できない」のオンパレード
まずは,第2クールのドラマ一覧から。
今回残念なのは,いつもであれば定番となる「枠」のドラマが,魅力的に映らないことです。
TBS・火・22:00枠「わたし,定時で帰ります」
アラサー女子のワーキングドラマ,という時点で,すでにストーリーのおおよそが予想されてしまうという,圧倒的期待値の無さ。
もう少し設定を何とかできなかったものでしょうか?
吉高さんがハインションで動き回る絵面しか思い浮かびません。
NTV・水・22:00枠「白衣の天使」
この2人のW主演という時点で,「ナースのお仕事 − 若干のコメディータッチ」という図式しか見えてきません。
水川さんの演技力には定評がありますが,いかんせん華がない。医療問題を深くえぐった本格的なドラマでこそ生きる女優さんだと考えます。
また,中条さんの演技に医療もののシリアスさを求めるのは酷かと…。
TBS・金・22:00「インハンド」
これ,山Pのシリアス演技が浮いてしまう様子が目に浮かびます。
もともとどうしても演技が固くなりがちな山P。コード・ブルーでは,周囲の演者に助けられてこその「藍沢」でした。
今回はコミカル担当を濱田さんが担うのでしょうが,こちらは「本格派」ですので,どうしても2人の絡みにちぐはぐな部分が出てしまいそう。
「天才」を自称する寄生虫学者が事件を解決…という突拍子もないストーリーも,大ヒットの呼び水となる「共感を呼ぶ」という部分で無理があるかと…。
しかし,うまくはまれば…と感じさせる部分もありますので,爆発的なヒットとなるか,じり貧になるかの博打ドラマだと考えます。
たった4本だけの継続視聴になる?
というわけで,今回は上の3本は恐らく初回から観ることはないと考えています。
すると…。
今クールは以下の4本だけか?
この中からも脱落しそうな予感がするものもありますから,歴史上最小の本数になる可能性が…。いかに今クールのドラマの魅力度が低いかということの証明だと捉えています。
次回は期待するこれら4本について,詳しく見ていきたいと思います。