Appleのサービス事業拡大の動きは,既存システムを変える
3月末のApple発表イベントでは,従来の噂どおり,ニュース,動画,ゲーム等の配信といったサービス事情の大改訂が発表され,「脱デバイス」の方向性を印象づけました。
iPhone販売の頭打ちという現実を踏まえ,生き残りのためにAppleがとろうとしている「未来図」が見えてきたように感じました。
まあ,それはそれでいいわけです。
配信サービスは希望者だけが享受するものですので。
希望しないユーザーには何のデメリットもない…と考えていたら,意外な方向から「危険」が飛び込んできました。
iTunesがなくなるかもしれない…というのです。
唯一の問題…iOSデバイスのバックアップはどうすればいいの?
記事によると,先のイベントで「AppleTV」が再定義付けされたことや,ゲーム,AppleMusic等,それぞれが独自のアイテムとして自立していく目処が立ったということで,それらを「単体のアプリ」として準備しているというのです。
つまり,特にMacにおいては,これまでiTunesが統括していた一連のサービスを各アプリに分割して管理しようということ。
私,これ自体は非常に好ましいと考えます。
これまでのiTunesは,本当に分かりづらかった。個人的にはiTunesでの購入は殆どしませんが,CD経由で曲を取り込み,その取り込んだ曲をiPhoneやApple Watchに転送する際の分かりづらさといったら…。
Windowsであれば,「コピー」で終了なのですが,iTunesにはそれ自体に制限があったり,「同期」という考え方が必要だったりと,ほとほと嫌気がさしていました。
恐らくAppleとすれば,外部のCDからコピーするという概念ではなく,
「必要だったらiTunesで購入してね!」
というスタンスなのでしょう。
でなければ,あんなに分かりづらい手順を踏ませるはずがありません。しかし,それはあまりにAppleの「自分勝手」が過ぎます。
さすがにユーザー側への「自由」を与えるべきです。
しかし…。
問題はそこではありません。ずばり「iOSデバイスのバックアップ」です。
iCloudでバックアップって…
記事によると,iTunes解体に伴って,これまでMacで担っていたiPhoneやiPad等のiOSデバイスのバックアップがMacでできなくなりそうだというのです。
そしてその代役を担うのが「iCloud」なのだとか…。
心配が2点。
①そもそも容量は?
最近のiOSデバイスも次第に大容量化しています。
その巨大なデータをiCloud単体ですべてバックアップできるものでしょうか?
また,現在無料で与えられているiCloudの容量は5GBですので,それ以上の容量が必須となると,別途容量の購入が必要となる?
これはさすがにまずいです。
大容量の無料化や,別途純正バックアップアプリの無償提供が必須となります。これ絶対条件です。
②信頼性
iCloudへのバックアップということで懸念されるのはその信頼性です。
まずは保管の安全性。流出が「絶対無い」とは,誰も保障できないのではないでしょうか?
また,バックアップの途中で何らかのトラブルが発生して,データが破損するような懸念は全くないと言い切れるのでしょうか?
有線で直接連結するこれまでのバックアップ方法では,この手の心配は皆無だったわけですので…。
さて,本当に「iCloudへのバックアップ」という思い切った提案をしてくるのでしょうか?
さすがに「唯一の選択肢」とするのには,無理があるように感じます。