盤石だったTSMCの開発に異変か?
本ブログでは,技術的な面でなかなか優位性を保つことのできなくなったiPhoneにとって,絶対に譲ることのできないのが「Aチップの性能」であるという考えを唱えてきました。
そして,そのAチップを製造しているのが台湾のTSMCです。
毎年モデルチェンジしていくスマートフォンデバイス。しかし,そのデザイン,革新的なアイデア,卓越した技術面等,数年前まではiPhoneがリードしてきた分野において,Android勢,特に中華勢に勢いに押され気味であることは周知の事実。
そんな中で,TSMCが製造するAチップだけは,他メーカーのチップ性能を絶対的に凌駕し続けてきました。
Appleにとって,iPhoneを高額で販売するための「口実」を,強力に下支えしてきたのが,このAチップの性能であるといえましょう。
そして,その性能向上を支えてきたのが,内部構造の高精細化。
つまり,回路をより微細にして,解析能力や省電力化をアップさせてきたということです。
そして,これまでは,2020iPhoneでは,「5nmプロセスルール」で製造された「A14チップ」が搭載されるというのが既定路線のように噂されてきました。
しかし…。
ここに来てA14チップは「6nnプロセスルール」での製造となるのではないかという情報が来ています。
開発の遅れによる「妥協」であれば大問題!
しかしこの情報,違和感しか感じません。
というのも,つい先日,5nmプロセスルールでのA14開発に関する情報が流出したばかりだからです。この件については本ブログでも話題にしました。
しかし,今回はTSMCによるアナウンスが出ているんですよねぇ。
https://www.tsmc.com/tsmcdotcom/PRListingNewsAction.do?action=detail&language=E&newsid=THWQWQTHTH
2019iPhoneに関しては,従来の「7nmプロセスルール」によるA13が確実視されている状況ですので,所謂「ビッグチェンジ」と目される2020iPhoneにおいて,チップ性能面で一抹の不安を感じさせる内容となっています。
焦点は,
「プロセスルールが5nmから6nmに変更になった理由」
です。
「従来の5nmプロセスルール相当の性能が,より製造しやすい6nmプロセスルールで実現可能となった」
という積極的な理由であれば問題ないでしょう。
しかし,
という理由であれば,事態は大きく変わってきます。
Android勢にチップ性能でも凌駕される可能性…
もし,今回の変更が「妥協の産物」であるならば,これまでiPhoneの絶対的な性能を支えてきた部分が怪しくなってきます。
ただでさえ,HUAWEIの「KIRIN」や,「Snapdragon」の性能向上が急ピッチで進んでいる中,Aチップの絶対性も揺らぎつつあるわけで…。
「妥協」故のモラトリアム期間中に,その他のチップが一気に性能アップする可能性も否定できません。いや,むしろ「可能性が高い」と感じるのは私だけでしょうか?
「回路の微細化」に苦しんでいるのはTSMCだけではなく,チップ製造業全体が直面している課題なのであれば心配いらないのでしょうが,ここのところ,実際はどうなってるんでしょうね?
いずれにせよ,これまではある程度安心して見ていられた「チップ性能面」においても,心配事が増えてしまいました。
さて,どうなるiPhone?