Canalys調べでは「23%減」,第2四半期iPhone出荷台数
本日,IDC調べによるApple第2四半期決算についてご紹介しました。
その中で,iPhoneの出荷台数が昨年度比「30%減」という驚愕の数値について話題にしたわけです。
Appleの基幹を成すiPhoneの販売状況は,企業としての死活問題ですので,Apple自身が公表した数値との「ズレ」に大きな違和感を感じました。
まあ,Appleは「売上高」,他の統計は「出荷台数」と,そもそものベースが異なるわけですが,実質的な「被害」が,本当にAppleが通達している程度で済んでいるのか…については,やや懐疑的に見てしまう私です。
そんな中,今度は「Canalys」調べによる統計が発表されました。
出荷台数「23%減」。
さて,これをどのように読み取ればいいのでしょうか?
iPhone shipments declined 23% for the quarter compared to last year, says Canalys https://t.co/80IGhgNYFN by @michaelpotuck pic.twitter.com/YectAcMyP7
— 9to5Mac.com (@9to5mac) May 1, 2019
いずれにしても「史上最大の下げ」
まずは,Canalysが発表したデータと,先のIDCのデータとを比較してみましょう。
上がCanalys,下がIDC。
双方のデータの相違点は,AppleとSamsungのデータの取り方のように見えます。
IDCは,Appleの落ち込みを大きく,Samsungの落ち込みを小さく計上していますが,Canalysでは,Samsungの落ち込み分をやや大きく取り上げいてます。
また,共通しているのは「HUAWEIの一人勝ち」という全体の傾向。スマホ市場が縮小している中での「50%増」は,異次元の急成長ぶりといえましょう。
末恐ろしささえ感じます。
そして,いずれにせよ,iPhone史上最大の下げ幅を記録したということは間違いがなく,Appleの今後の舵取りが困難になっていることも変わりありません。
「出荷台数」と「出荷台数」との正確なからみを知りたい!
Appleにとって,
「今後,デバイスごとの出荷台数を公表しない」
と下のは幸運なことでした。
もし従来どおりに出荷台数を公表することになっていたら,
「iPhoneXS系,XRが売れず,iPhone8が爆売れしてして,純利益を圧迫している」
ということが白日の下にさらされたはずです。
Appleが正式に公表した総合値がこちら。
出荷台数が記録的に下がっている中,売上高の減少幅が小さいのが気になります。
また,他の統計が示している出か台数の減少に対し,純利益の減少幅が小さいのも重ねて気になります。
ウエラブル,その他のサービス分野が急成長していても,iPhoneの売上減をカバーできるほどではない…ということは先の記事でも書かせていただきましたので,
「Appleの公表値そのものが,やや信憑性に欠ける…」
という思いをどうしてももってしまうのです。
また,今回の9to5Macの記事では,中国での販売不振は1つの要因に過ぎず,価格面や,デバイスの使用年数の増加等,その他の要因も今回の不振の大きな原因になっているとまとめています。
ますます混迷の度を深めているAppleの業績。
今後好転するか,暗転するかは,今後のAppleの舵取り次第といえましょう。