変化の出てきた夏ドラマ陣
7月に入りました。
6月までの「春ドラマ」が終了し,一服しているところですが,次に控える「夏ドラマ」に向けてムズムズしてきますね。
本ブログでは,これまでも気になる夏ドラマの情報を若干取り上げてきましたが,ドラマ開始を前に,いつものごとく独断と偏見による展望を書かせていただきます。
まずもって言及しておきたいのが,最近のドラマジャンルの偏りです。
特に今年度冬ドラマ,春ドラマにおいては,「刑事・捜査もの」「リーガルもの」に異様なほどに偏っていました。
理由は簡単です。
安定した視聴率が見込める,経費が安く済む,ストーリー展開がお決まりで製作しやすい…等々,テレビ局側の後ろ向きの姿勢がこの状況を生み出しています。
もちろん優秀なこの手のドラマも必要でしょうが,あまりにも乱立しすぎると…。
新しいジャンルへの挑戦も見られなくなりますし,そのことは決してドラマ業界の未来にとって望ましいことではないでしょう。
実際個人的には,この手のドラマに苦手意識をもつまでになってしまいました。前クールの「緊急取調室」も結局観ませんでしたし…。
そんな状況ですが,さすがに次のクールは若干解消されそうです。
もちろん相変わらず捜査もの系が多いのですが,それ以外の意欲作も結構登場しているようです。
展望①として,今回は「王道編」をお届け。
「日曜劇場」というブランド
まずはTBS「日曜劇場枠」のお仕事ドラマ。もはや「王道」。
本クールは以前からご紹介してきたとおりに「ノーサイド・ゲーム」です。
ご存知のとおり,そしていつもの通り,「日曜劇場+池井戸潤」のタッグですね。
その内容に関しては,以前の記事をご参照ください。
出向先のラグビーチームを再生させる元エリート社員に大泉洋さんを迎え,いつものごとく汗臭い,人生逆転ドラマが繰り広げられます。
もう,王道中の王道過ぎて余計な説明はいりませんね。
恐らく原作を読まなくても大方のストーリー展開を想像できる方が多いのでは?
まあ,10%台の視聴率は固いところでしょう。
しかし,前クールの「集団左遷」は,福山雅治さんを迎えながら,あまりの熱血さが裏目に出て視聴率的には大きく伸びませんでした。珍しく最終回の「延長」が無かったことからも,
「日曜劇場枠でも,視聴率次第で切られるんだ…」
と,現実の厳しさを感じました。
本作も,「大泉洋さん」という売りはあるものの,その分「大泉洋さんの芝居」としてある程度の予想がついてしまう…という危険性もはらんでいます。
これまでの大泉洋さんの芝居からすると,大泉流の喜怒哀楽の表現方法はこれまでと大きな変化はないでしょう。
これが吉と出るのか,凶と出るのか…。
あまりにねちっこい最近の日曜劇場枠の演出は,若干飽きられる傾向にあるように感じます。
視聴率的に,どのような展開になるのかに注目です。
「人気女優+ドタバタ」という王道
もうひとつ「王道」としてあげたいのは,石原さとみさん主演の「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」です。
人気女優と「ドタバタコメディー」という「王道」です。
番組HPにも「“至極のフレンチレストランコメディー”」とありますが,これ,結構危険な香りがします。視聴率的に…。
石原さんといえば,前作の「高嶺の花」でライバル綾瀬はるかさんの「義母と娘のブルース」に大きく水をあけられて惨敗。
ドラマの打ち上げでは本人が涙の謝罪をしたという情報が流れて話題となりました。
恐らく「視聴率」には並々ならぬ思いを込めての本作…ということになるかと思います。
しかし…。
今回の展開では恐らく「10%を巡る攻防」に終始し,恐らくは10%に届かない最終回を迎えるのではないかと予想します。
その原因が,先の“至極のフレンチレストランコメディー”というTBS側の位置づけです。この「コメディ」という部分が「高視聴率」にはなかなか難しいと思うのです。
また,登場人物の人物像や其れを演じる役者陣を見ても,そのコメディぶりが容易に想像できてしまうあたりも相当痛い!
ストーリーとしては,「なぜ住宅地から離れた墓地の中の店なのか?」「なぜ従業員がフレンチのスペシャリストでないのか?」など,伏線を張ってはいますが,コメディであればこの複雑な伏線は徒となりかねません。
「謎めいた…」という要素はありませんでしたが,以前放映された「崖っぷちホテル」にも似たテイストを感じてしまいますし,そこにややこしさが加わるようであれば,「高嶺の花」に続く惨敗も見えてくるのですが…。
石原さんの生かしどころが違うんじゃ…と,率直に感じてしまいます。
次回は展望②として,「冒険」ともいえるテイストのドラマをご紹介します。
個人的には,こちら側の方に期待しています!