えっ? 中国限定のiPhone?
トランプの変わり身の早さで,事情が刻々と変わる世界市場。
HUAWEIの件もそうですが,米中間の追加関税がとりあえず無くなったことで,iPhoneの価格高騰という最悪の事態だけは避けることができそうです。
そして,「対中国」ということで考えると,中国国内でのiPhone販売の不振ということも目が離せない話題のひとつです。
iPhone端末価格の高騰,対米意識の悪化等の理由が重なり,思うように売上を伸ばすことができなかった結果,Apple全体の売上低下の主な原因とされたことは,記憶に新しいところ。
そんな中…。
仰天の話題が飛び込んできました。
なんと,中国国内限定のiPhone,しかも「TouchID内蔵ディスプレー」搭載iPhoneが登場するかも…という話題です。
そこまでAppleが相手におもねることはないのでは?
記事によると,その狙いはやはり「端末価格の下げ」ということ。
現状のFace IDは,数百元(1元≒16円)ということで,Touch IDよりも高価であるということ。
しかし私は「ない」と考えます。
その理由は…。
①「Touch ID内蔵ディスプレー」の技術が確立していない
まず第一に,現在のAppleには,「Touch ID内蔵ディスプレー」という技術そのものがありません。
もちろんこれまでに,Appleが様々な考え方の特許を申請しているということは本ブログでも紹介してきました。
しかし,未だ未確立なものを「廉価版」として売り出すというやり口が,Appleにはそぐわないと考えます。
さらに,従来型のTouch IDではなく,「ディスプレイ埋め込み型」ということですから,コスト的にもそんなに大きく下がらないのでは…と考えます。
その心は,Appleが考えている「Touch ID内蔵ディスプレー」の仕様が,ディスプレイ内であればどこでも解除できるという新方式だとこれまで伝えられているからです。
そして,恐らくAppleはこの方式のTouch ID内蔵ディスプレーを,2020年iPhoneの「サブ」解除方式として採用してくるはず。
「サブ」というのは,あくまでもAppleは,Face IDをロック解除の第1優先方式と考えているということです。
セキュリティの面から…。
だとすれば,今回の「廉価版」に搭載されるのは,現行のAndroid勢が採用しているような,「解除場所限定」,そして解除精度のよろしくない「廉価版Touch ID」なのではないでしょうか?
これまでの考え方を崩してまで安価なTouch ID内蔵ディスプレーを新たに開発し,「中国限定」のiPhoneに搭載するような煩わしいことをAppleがするでしょうか?
私にはそのイメージがもてません。
②「中国限定」という違和感
私は,Appleが中国限定というデバイスを生産するとは思えません。
これまでも,「iPhoneSE」を発展途上国対象に売り出していたという事例はありますが,それはあくまでも旧モデルの流用です。
これまでの,「少数精鋭の最新機種」+「旧モデル」という売り方をしてきたAppleが,「中国限定」という売り方をしたら,その途端にAppleブランドがダメージを受けてしまうのではないでしょうか?
③「iPhone8後継機」の誤情報では
「Touch ID」ということでいえば,以前噂になった「iPhone8後継機」と取り違えられている可能性はないでしょうか?
だとすると,廉価版の「ディスプレイ埋め込み」という違和感は消えることになります。
やはりミッドレンジiPhoneは必要です!
Appleが,「iPhoneの売上」に気をもんでいるとすれば,デバイスの価格を現在よりも「下げる」ことが最も効果的である,ということはこれまでに繰り返し述べてきました。
しかし,恐らく「下げ」はないでしょう。Appleのやり方を考えると…。
だとすれば,やはり以前に提案したような「ミッドレンジiPhone」の新設しかないのではないでしょうか?
これだったら,中国市場をケアしながら,全世界のiPhoneファンも喜ばせることができるのでは…?
スマホ料金体系が激変しそうな日本においても,きっと重宝されるモデルになるのでは…と考えるのですがねぇ〜。