iPhone11の売りは「カメラ」?
iPhone11の発表まで,いよいよカウントダウンです。
先日は,Ben Geskin氏が,
「iPhoneのカメラが史上最高に進化する」
とTweetしたことをご紹介しました。
もちろん「3眼レンズ」搭載になることで,超広角がサポートされたり,これまでできなかったマクロのポートレート撮影が可能になりそう…ということは想像できるわけです。
しかし,それらはHUAWEI等の先進Android機ではすでに搭載されている機能です。いわば1年遅れでようやくiPhoneに搭載されるものですので,「ようやく追いついた」と表現するのが適切でしょう。
では,何をしてBen Geskin氏は「史上最高」と記したのか…?
解像度のアップ?
暗所画質の大幅アップ?
光学ズームの拡大?
まあ,それらも当然あるでしょう。
しかし,どうやらAppleはそれらの「基本的」な事柄だけではなく,AI機能を活用した発展的な機能に重きを置いているようです。
「切り取り」「切り抜き」はNeuralEngine大幅性能アップの証か?
これまでも,撮影した画像をiPhone内で拡大して切り抜くような「クロップ機能」の噂はありました。しかしまあ,これはMacであればより簡単にスムースに行えるので,私はあまり惹かれません。
しかし,今回新たに登場した情報は,「クロマキー」機能。
これは,人物などの輪郭を切り抜き,その切り抜いた部分を他の画像の合成する機能のようです。
記事によると,Appleが2017年に買収したデンマーク企業Spektralの技術が元になっているのではないかということ。
そして,この機能を搭載しているAndroid機が存在していないことから,「クロマキー機能」こそがiPhone11のキラーコンテンツになるのではないか…とされています。
ここから,Appleの戦術が見えてきますね。
「ズーム機能」という今年度のトレンドに安易に乗っかることなく,AIを絡めた付加機能に活路を見いだす…ということなのでしょう。
そして,この考え方は今年だけではなく,今後のiPhoneのカメラ機能を貫く大命題なのだと考えます。
また,iPhoneXS登場時に大きくアピールした「NeuralEngine」性能が,更に大きく向上していることが想像できます。
「人物の輪郭を切り抜く」という考え方は,昨年までは「ポートレート撮影」時のメイン被写体と背景との区別化に特化した形で使用されていたわけですが,iPhone11では,それを切りって他の画像に貼り付けるという二次的加工にまで生かされることになります。
チップに大きな負担がかかるということは簡単に想像できますので,Appleとしては,A13チップおよび新NeuralEngineに確固たる自信をもっているということでしょう。
Appleの選択は吉と出るか,凶と出るか?
もし私の予想が確かならば,Appleは他のメーカーとは大きく異なる選択を始めたことになります。
他のAndroid勢は,「4000万画素」「10倍望遠ズーム」等,いわばスマホカメラの「コンデジ化」に走っているように思われます。
つまり,解像度,ズーム機能等のカメラの基本性能を上げる方向性です。
しかし,Appleはほどほどの基本性能の上に,AIを駆使した付加価値戦略をとろうとしているわけです。
恐らく今後も,ARを絡めて付加価値の選択肢を増やしていくのでしょう。
基本性能か?
付加機能か?
私は「基本性能」重視でいってほしいです。
本当は…。