iPhone11Proのポートレートモードは寄れる?
2019iPhoneが「3眼」を搭載するという噂が上ったとき,私は,
「これでマクロレンズ的に使えるポートレートモードになる!」
と勝手に予想しました。
iPhoneXSのポートレートモードは,あくまでも想定が「人物」のみのようで,基本的に「引きのショット」に最適化されてします。
つまり,「小物等をマクロ的に撮影する」という想定はしていない…ということ。
ですから,当然ポートレートモード時の「焦点距離」はかなり長めにとられており,被写体から少なくとも1.5m離れなくてはピントが合いませんし,ポートレートモード特有の被写体深度をとることができませんでした。
Pixel3やMate30Proなどのライバルは素晴らしいマクロモードを備え,小物や食べ物の接写が本当にうらやましいほど綺麗に撮影できていたわけですので,私としては当然,次期iPhoneには「接写ができるポートレートモード」が追加されると踏んでいたのです。
しかし…。
蓋を開けてみれば,iPhone11Proが注力したのは「超広角」。
いや,もちろん超広角で撮影できることで,写真の幅は大きく広がります。しかし,現在のスマホカメラの使用法として,インスタに上げる小物,食べ物等,マクロ撮影の方が需要が多いのではないかと考えます。
「超広角」での撮影という時点で,より写真の意識が高い層がこだわる点だと思います。一般のユーザーは,やはり「接写」がより身近なのでは…?
案の定,iPhone11Proの発表イベントでも,「ポートレートモードの焦点距離」に関する話題はありませんでした。
「これは,接写に関しては現状維持かな…」
と高をくくっていたのですが,実際にくりべて見ると意外な結果が出ましたよ。
明らかに,iPhoneXSよりも「寄れます」!
「マクロ」とは呼べないが,加工次第ではおもしろい
iPhone11Proへの乗り換え前日,iPhoneXSのポートレートモードで1枚の写真を撮影しておきました。iPhone11Proとの比較をするためです。
では,iPhoneXSとiPhone11Proのポートレートモードの比較をご覧ください。
どちらも,クロップなどの加工をしていない,撮って出しです。
どうです?
明らかにiPhone11Proの方が寄れています。
焦点距離としては,iPhoneXSのときは1m以上離れないと「離れてください」という警告が出ました。
iPhone11Proでは,間違いなく「1m未満」です。「60〜70㎝」といったところではないでしょうか?
この違いは結構大きいですね。
撮影後にiPhone上で加工するにしても,Macで加工するにしても,大きく撮れていて困ることはありません。
もう1枚。
こちらはiPhoneXSのものはありません。iPhone11Proのみ。
机上の「MOMENTUM True Wireless」を撮りました。
本当マクロモードであれば,ぐっと寄れるだけにもどかしさもありますが,明らかにiPhoneXSでは撮影できない距離です。
これであれば,小物の撮影であっても,多少の切り取りを行えばマクロ物の1枚として通用するでしょう。このときも焦点距離は1mを切っていました。
iPhone11Proのポートレートモードで感じるのは,一旦「もっと離れてください」という警告が消えた後,もう少し被写体に近づいてもポートレートモードが維持されやすいということです。つまり,iPhone11Proが申告してくる距離よりも,もう一段近くまで寄っても被写体深度を生かすことができているということ。
まあ,これでも物足りないんですけどね,他と比べると…。
「ポートレートモード」時の「2倍」表示が気になる
この原因を考えてみたのですが,画面上に気になる表示を見かけました。
右下部分の「2倍」。
想像するに,これまでのポートレートモードに,iPhone11Proに搭載されている「2倍の望遠レンズ」を組み入れることで,倍率アップを実現したのではないでしょうか?
だとすると,「2倍望遠レンズ」を備えているiPhone11でも同様の撮影が可能?
実に気になる部分です。
いずれにせよ,「本格的なマクロ対応」という宿題は解けていないままです。
超広角を充実させた後は,「望遠」か「マクロ」くらいしか課題が残っていないはず。2020iPhoneでは,是非とも「マクロ」をがんばっていただきたい!