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MOMENTUM Wireless(第3世代)レビュー③〜エージング10時間感想編 イヤホンとヘッドホンの違いを実感〜

じっくり,ゆったり付き合っていけそうな予感

 ゼンハイザーの「MOMENTUM Wireless(第3世代)」のレビュー第3弾です。 

 これまで,開封・ペアリング編,取って出しの音質編として,初期状態の「MOMENTUM Wireless」の感想をお伝えしてきました。 

 今回は「10時間ほど」のエージングを済ませた段階での音質の変化について書いていきますが,その大まかな傾向として,
「非常に高いポテンシャルを感じるが,未だに実力を発揮しきれる状態ではない」
ということです。

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 どういうことなのか,以下に素人の感想を書かせていただきます。

 

イヤホンとヘッドホンの違いを実感

 まず,そもそも論として,私は「ヘッドホン」の使用経験が殆どありません。
 これまで,某老舗メーカーの開放型ヘッドホンと,結構な高級密閉型ヘッドホンを試したことがありますが,開放型は音漏れと遮音性の問題で,密閉型はあまりの音の圧迫感が原因で手放しています。
 ですから,今回のレビュー自体が,私にとっては大いなる挑戦でもあるわけです。特に「じっくりと育てる」という意味で。

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 そして,大前提として,今回の「MOMENTUM Wireless」に対しては,現時点で非常に好意的な印象をもっています。以前使用していた密閉型と比べて音の圧迫感がないのに音としての資質を感じるのです。
 そのような,イヤホン偏重利用者として感じる「MOMENTUM Wireless」の音質の変化について…という目線でのレビューとなることをご承知おきください。

 まずもって「取って出し」の音はペコペコの低音,低・中・高音の繋がりの悪さ,濃いだけで解像感のないどんよりした中・高音と,やりはなかなか厳しい音でした。
 しかし,ゼンハイザーのダイナミックドライバーはエージングで激変することを経験していますので,とりあえず音の傾向が読み取れるように変化してくる「10時間経過」の段階でじっくりと聴いてみることにしました。

 そして,まずここで気付くのが,
「イヤホンよりも変化の度合いが非常にゆっくりである」
という事実です。
 これまでの「IE800」「MOMENTUM True Wireless」というイヤホンでは,10時間の段階で結構な音質変化が見られ,数十時間で傾向が固まってくる…という印象がありました。
 しかし,この「MOMENTUM Wireless」は,10時間でも大きな変化はあるものの,明らかに「変化の途中」という感じです。
 恐らく,イヤホンで感じた「10時間」程度の変化に「数十時間」,数十時間で感じた「固まってくる」という変化は「100時間以上」の時間を要するのではないでしょうか。

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 これ,やはりドライバーの大きさに影響するのでしょうかね?
 ここまで変化の時間的な流れが異なってくるとは正直予想していませんでしたので,新たな発見です。

 

「低音」→「中・高音の分離」→「解像度・高音の煌びやかさ」…?

 さて,では10時間での実質的な音の変化は?

 まず真っ先に感じたのは,
「低音がしっかりと支えてくれるようになった」
ということです。
 取って出しで感じたような「ペコペコ」とした印象が消え,力強さが増しました。輪郭もくっきりとしているので,曲の土台をしっかりと支えてくれています。また,それでいて低音だけが出ている野暮ったい音では全くありません。しっかり出ているのに邪魔をしないという低音は,イヤホンではなかなか聴くことのできないヘッドホンの可能性を感じさせてくれます。

 次に感じるのは「中・高音の分離」です。
 取って出しではぼやぼやして全く女性ボーカルの魅力を感じ取ることのできなかった中・高音ですが,この部分の分離が明らかに進んだため,ボーカルが聴き取りやすくなってきました。

 しかし,「解像度」の部分ではまだまだの印象。加えて,高音部の煌びやかさ,鮮やかさがまだベールに包まれているケースが多く,ハイトーンボイスを売りにするアーティストの曲では物足りなさを感じる場合が多くありました。

 具体的にいえば,現時点で最も聴きたくなるのは「あいみょん」です。
 女性としてはやや低音寄りの彼女の声質に加え,アレンジもギターやベース等の中・低音寄りの楽器を使用していることが多く,これまでのイヤホンでは感じ取ることのできなかった深み,厚みを感じます。
 イヤホンではなかなか分離できていなかった「君はロックを聴かない」の演奏音をしっかりと鳴らし分けたときには鳥肌が立ったほどです。この曲の前奏は音が混在していて,「MOMENTUM True Wireless」でも手も足も出なかったのです。
 「あいみょん」に関しては他の曲も,概ね異次元の鳴らしっぷりです。あいみょんの声とギターの艶めかしい響きが官能的に聴こえます。

 反面,高音部のキラキラした部分が未だ出せていないため,「川嶋あい」,「中島美嘉」等の歌声はくぐもって奥に引っ込んで聴こえます。声質としては低音寄りであるはずの「藤原さくら」の魅力もまだまだ発揮できていません。特にバラード寄りのボーカル中心の曲や,ピアノがメインで聴こえる曲が弱いです。
 ですから,乃木坂46のスローな曲などは,まだちょっと残念な感じ…。やはりピアノは是非とも煌びやかに鳴らして欲ほしいですよね…。

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 というところが「10時間」経過時点での拙い感想です。
 しかし,前述したように,あくまでも「エージングの経過がゆっくりである」ということであって,「今後も改善が見込めそうではない」ということではありません。

 実際,「取って出し」では全く聴く気にさえなれなかった乃木坂46のピアノ中心のスローバラード系の曲も,まずまず聴ける程度には変化しています。
 ゆっくりとではありますが,確実にその正体を現している感じです。

 恐らくは,今後中・高音寄りの音質が改善させていくでしょう。
 この「MOMENTUM Wireless」,音質の改善具合として,「低音→中音→高音」という順番で進んでいきそうです。

 最後に,現時点でのその他の感想を。

ボーカルは近い(もう少しだけ離れてくれていいかも→イヤホンばかり聴いてきた…ということが影響しているのかも。密閉型という構造上の傾向もある?)

・上記の理由もあり,「開放感」「軽快感」はあまり期待できない。密閉型ということで当然だが…。

・今後エージングを重ねると,間違いなくフラットな音質になる予感。しかもフラットでありながら,退屈さや平面的な感覚はないであろうことは,現時点でも予想がつく。

・現時点では,「MOMENTUM True Wireless」ほどの音場の広さは感じない。エージングで変化するのか,密閉型ということで諦めなければならない部分か? それともイヤホンとヘッドホンの違いから来るものか?

音の密度がイヤホンとは別次元。解像度等は別にして,イヤホンでは聞こえなかった音が聴こえる。

レベルは非常にとりやすい。「MOMENTUM True Wireless」はレベルがとりにくく,非常に苦労したが,本機はiPhone11Proでボリュームを50%以上に上げる必要はなさそう。

  次回は,本機の「ノイズキャンセリング」の実際について…。 

☆追記☆ 

 

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