Appleの次期ディスプレイは「MiniLED」?
iPhoneXで初めて採用されたOLED(有機ELディスプレイ)。
バックライトが必要な液晶に対し,LED独自が点灯するとともに,「黒」を表現する際に何も点灯しない本当の黒を表現できるディスプレイとして,その色再現性だけでなく,目への刺激の少なさも有益とされています。
昨年iPhoneXSとXRを実際に比較した際も,有機ELのしっとりした落ち着きと,液晶のパリッとしたメリハリのある色との違いを感じたのを思い出します。
光の刺激に弱い私の目には,有機ELの優しさが本当にうれしかった1年でした。もちろん今年のiPhone11Proも有機ELですし,2020iPhoneでは全てのモデルが有機EL化されると言われています。
本来であれば,画面の大きいiPadやMacへ有機EL化が最も効果が高いのでしょうが,やはりコストの問題があるようで…。
iPadの有機EL化の話題もありましたが,どうもAppleは違う方向を見ているようですね…。
MacBook,iPadのフラッグシップ機には,「MiniLED」が搭載されるのではないか…という記事が来ています。
「MiniLED」と「MicroLED」の違いをおさらい
実はこの「MiniLED」ディスプレイが話題になったのは初めてではありません。
丁度1年前ほど前の時期に,Appleが「OLEDの次」を検討している…という情報が流れ,私も記事にまとめました。
従来のOLEDは大型化とコストダウンが難しい上,「焼き付き」「画面寿命の短さ」という課題を抱えているからこその「次」なのですが,ようやくその「次」に向けての具体的な話が浮かび上がってきたというわけです。
記事中に詳細を書いておりますが,まずここで「MiniLED」と「MicroLED」の違いを復習しておきましょう。
簡単に言えば,「バックライトの有無」が最大の相違点のようです。
「MiniLED」は従来の液晶の発展系であり,当然バックライトがあります。しかし,従来の液晶の課題であった「黒でもバックライトが点灯するため,白っぽい黒になる」という点を解決するため,
「黒部分だけ,バックライトを照らさない」
という技術を用いるようです。
その他の色ではバックライトを点灯させますので,コントラストや目への刺激という面では,有機ELに比べると不利な面もあるでしょう。
対する「MicroLED」は,有機ELの後継と考えられており,バックライトを必要とせず,
「目に見えないほど小さなLEDが画面上にびっしりと敷き詰められたディスプレイ」
ということです。
LEDが小型化されることで,高コントラスト,視野角拡大,省電力,長寿命…と,これまでのOLEDの弱点をほぼ克服している夢のディスプレイのようですね。
しかし…。当然コストの問題が…。
iPhoneは有機EL系,iPad・Macは液晶系?
ここで考えるのが,今後のiPhone,iPad,Macのディスプレイです。
画面の小さいiPhoneでは,歩止まりやコストを考えたときに「有機EL系」の「MicroLED」。
画面の大きいMacやiPadでは,逆の意味で「液晶系」の「MiniLED」。
と,Appleが考えているのが今回の記事の真意かな…とも感じます。
しつこいようですが,本来であれば,iPad・Macにこそ欲しい有機EL系ですが,新型Mac Pro専用ディスプレイにも有機ELが採用されなかったことからも,Appleが大画面に有機EL系を採用する気がないように思えますね。
最悪なのは,iPhoneにも液晶系のディスプレイが採用されてしまうことです。
ここだけは,「次はMicroLED」ということでお願いしたいものです。