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JDI「有機ELパネル量産化を2020年に決定」の「今更感」が半端ない!〜これでは置いて行かれるのもしょうがない…〜

「有機ELパネル」量産の目処が立っていないJDI

 極度の経営不振から,中・台などを中心とするファンドなどによる融資を検討し,経営再建中である「JDI(ジャパンディスプレイ)」

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 まとまりかけた融資話も,そのあまりのグダグダぶりがに愛想を尽かされたのか,最大手の「嘉実基金(ハーベストグループ)」からの融資が立ち消えになってしまうなど,泣きっ面に蜂の状態が続いています。金銭的な面では,Appleの投資増額話があったほかは,悪化の一途を辿っているようです。

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後日,Apple主導の融資が決まった…というニュースが飛び込んできましたが,これで「安泰」と考える人間はいないはず。

 そんな中,非常に驚くべきことに,JDIは未だにスマホ用有機ELパネルの生産に至っていないとのこと。その上で,2020年モデルが全て有機ELパネル仕様となるiPhone(噂のiPhoneSE2が登場すれば液晶モデルも残る)を抱えるAppleの動向を睨み,これから量産化をするのか,しないのかの判断を下すというのです。
 遅すぎませんか?
 それで間に合いますか?

 

結局はAppleのコバンザメ…

 有機ELパネルの生産は,もはや完全に韓国勢に牛耳られています。昨今の日韓貿易のギクシャクぶりの中で,生産用の原材料を日本製に由来していることが取り沙汰されましたが,国産で代用する目処が立ったようですね。
 そんな中で,今までJDIが有機ELパネルを生産できなかったのも,今後の量産化を狙っているのも,結局はAppleの動向を睨んでのこと。それまでのiPhoneは液晶パネルが中心でしたが,来年度からは現行の「iPhone11」にあたるモデルも有機EL化するといわれています。

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 ということは,Apple側の都合として,韓国以外の供給元を確保しておきたくなるもの。万が一韓国製のパネルに不都合が生じた際等,危険性を分散化されるためです。JDIは,この「Appleの都合」に乗っかるべきかどうかを考えているといったところでしょう。

 しかし…。
 現実的に考えるともJDI側に選択の余地はないのではないでしょうか?
 果たしてAppleに有機ELパネルを提供する以外に,大規模な利益を上げる見込みなどないはず…。もしJDIが来年度まで生き延びていたのなら,恐らくはiPhone用の有機ELパネルを生産しているはずです。
 もちろん,融資計画が頓挫し,JDIそのものが空中分解している可能性もありますね。端から見れば,「よく今までもったな…」ともいえる経営状態ですで…。結局は,今後も「Appleのコバンザメ」として以下生き延びるしか方策はないのでは…と考えます。

 

そしてさらにAppleに振り回される

 そして,生き延びたにせよ,ここ数年はAppleに振り回されることになりそうです。

 まず第一に,今年度の「iPhone11」が好評だったり,新規に「iPhoneSE2」を投入したりなどの「液晶の亡霊」に捕まってしまいそうだということ。素人目からすると,ここで一気に「有機ELパネル」に注力した方がJDIにとっては好ましいと考えるのですが,予想していなかった液晶パネルの需要に労力を割かなくてはならない自体が発生しそうです。

 第二に,有機ELパネルの寿命もそんなに長くないのでは…と考えるられること。以前に記事にしたように,時代はすでに「有機EL後」の話題でもちきりです。近いうちに,「MiniLED」「MicroLED」へと主役の座を譲りそうな勢いです。 

 もしここで,JDIが全力で有機ELパネル生産への設備投資を行ったとして,すぐさま世の中が「次世代パネル」へと傾向していけば,どうしても対応が早いのはSamsung,LGといった,すでに有機ELパネル生産の実績があるメーカーであることは想像に難くありません。
 そうなれば,JDIとすれば,その時点でまた「資金調達」を始めることになるでしょうし,Appleのご機嫌を伺いながら生産の方向性を改めなくてはならないことになるでしょう。

 つまり…。
 どう考えてもJDIの未来は硬直化しており,発展性は見いだせないような気がするのです。
 哀しいかな…。

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