iPhoneSE2ディスプレイをLGが受注することの違和感
「iPhoneSE2が来春発売」
という説はもはや既定路線になりつつあります。これまで幾度となく浮かんでは消えてきた小型iPhoneの情報ですが,「iPhone8の生産ラインを生かしつつ,パワーだけはA13という現役最強を奢る」という,メーカー&ユーザーのWin-Winの関係づくりに結びつけようとするApple側の意図を感じます。
そこに,「399ドル〜」という,これまでのAppleからは考えられないような圧倒的な「お買い得プライス」をぶつけられれば,ユーザーは納得の「折衷案」としてiPhoneSE2を受け止めることでしょう。
もちろんディスプレイは従来のまま液晶となるわけですが,私はこの「iPhoneSE2の液晶が経営不振のJDIを救う一手」と考えていました。
しかし…。何とAppleはLGと手を組もうとしているようです。何かもモヤモヤする…。
AppleはJDIを救いたいのでは…?
折しも,JDIの不振と,Appleの資金投入という情報が流れたばかり。
現状,JDIはスマホ用有機ELパネルの量産に取り組めていません。上記の記事内では,これから量産体制を整え,ある程度の生産が軌道に乗った頃には,世の中の時流が「MiniLED」「MicroLED」等の次期パネルへと移っており,結局はまた経営に行き詰まることになるのでは…と予想しました。
また,有機ELパネルの量産の目処が立つまでは,どうしても現状の液晶パネルでしのがなくてはならないわけで,その「繋ぎ」として「iPhoneSE2用のパネル」が重要な意味を持つのでは…と考えていたわけです。
丁度Appleの更なる支援が噂されていた次期でしたので,私としては当然「AppleもiPhoneSE2用のパネルを生産するにあたり,JDIの技術を当てにしての増資だろう」と睨んでいただけに,今回のLGとの動きには大いなる違和感を感じます。
純粋に「有機ELパネル」を睨んでの増資?
Appleのよる今回のJDIへの増資は,純粋に数年後の有機ELパネルの量産への布石なのでしょうか?
確かに,2020年には,iPhoneSE2を除く全ての機種が有機EL化されると言われています。その際,これまでのようにSamsung一択の生産ラインでは心許ないと考えるのは当然です。しかし,さすがにJDIにSamsungと同等の生産力を求めるわけにはいかないでしょうし,だとするとLG等の他メーカー連合軍で,Samsungに拮抗するだけの生産体制を狙っているのでしょうか?
また,JDIの立場からすると更に微妙です。もはや完全にAppleから離れられなくなるわけですが,Appleが今後も継続的に面倒を見てくれるという保証は全くないわけです。とりあえず有機ELパネル全盛の時代は何とか「生かされる」のかもしれませんが,その後は…。
いざとなれば他メーカーを切り捨てることを厭わないAppleです。自転車経営の現状のJDIに,明るい未来は見えづらいのではないでしょうか?