生活の中での使い勝手は?
Apple名義では初のノイキャン搭載イヤホン「AirPods Pro」のレビューを行っております。ここまで「開封・ペアリング編」「音質傾向編」「ノイキャン編」をお届けしました。
今回は,実際の生活の中での「使い勝手編」です。
これまでのAirPodsは,まずもってその充電ケースのコンパクトさから,持ち運びに関しては右に出るものがないほど卓越していました。その他にもペアリングのしやすさ,接続の安定性など,数々の魔法をかけてきたわけですが,さて,今回AirPods Proはそれらを超えた「何か」をもたらすことができたのでしょうか?
取り出しづらさが唯一の欠点
まずもって,当然のことですが,ペアリングや接続の安定性といった部分ではH1チップの恩恵で全く問題はありません。このことは「レビュー①」でもお伝えしたとおりです。今回はそれ以外のことについて…。
①ケースの大きさ
AirPods Proは,ハウジングが肥大化したことにより ケースが横方向に大きくなりました。購入前は,このことがこれまでの美点の1つであった「コンパクトさ」にどの程度の影響を与えるか…が一番気になっていました。
結論からいえば…,「全く気にならず」ということになります。
ケースの「薄さ」が,大きさを全く意識させないのです。また,上の写真をご覧いただければ分かるとおり,横方向に広がってはいますが,逆に縦方向は縮んでいるわけで,心持ち的にも,実質的な持ち運び面でも,全く影響がありません。
今回のようにハウジングそのものがかなり大きくなったわけで,普通のメーカーがつくれば,当然「厚み」も出てくることが予想されるわけですが,Appleの場合は厚さを変えずに僅かに横方向に広げるだけでおさめたことになります。この点,「さすがApple」と感心せざるを得ません。
②耳への装着,収まり
柔らかなイヤチップの恩恵もあり,AirPods Proの装着感は絶賛の嵐のようです。
でもまあ,悪くはないが,そんなに絶賛されるほどでも…という感じは正直します。実際,ノイキャンを効かせるが故にぴったりと耳内を圧迫している印象は確実に受けますし,無印AirPodsのような「付けていないような感覚」とまでは到底いきません。
音量は低いはずなのに,無印よりも聴き疲れする感覚があります。「装着感」「聴き疲れ」ということに関しては無印を越えるものはこれからも出てこないような気がします。
更に,「装着時」ですが,ハウジングが大きくなり,個人的に「Lサイズ」のイヤーチップを装着しているためか,耳穴に入れる際にあまり「スムーズに入る」という感覚を味わうことができません。筐体を横方向にして挿入しなければならないことも違和感に繋がっています。Westoneのスターチップ装着機であればもう少しすんなりと入りますし,現在使用している「TE-BD21f」はそのまままっすぐに挿入すればいいわけで,この点違和感がないのです。
「MOMENTUM True Wireless」は「回転させながら…」というコツはいりますが,やはりまっすぐ「縦方向」に装着することには変わりありませんので,慣れれば問題はありません。AirPods Proは,短くなったとはいえ「うどん部」がある訳で,だからこその「横方向挿入」。無印AirPodsが本当に快適だっただけに,個人的にはやや残念な部分ではあります。
③ケースから取り出しづらい…
最大の欠点は,とにかく本体をケースが取り出しづらいこと。
「つまむ部分」がないのです!
この写真で言えば,ハウジング部分を縦方向につまみたいわけです。イヤピースを触りたい人はいないでしょう…。でも,なかなかつまめません。指を深く入れようにも,上部の蓋部分が邪魔をして,指を挿入できないのです!
指が乾燥していると全くもって指の腹部分では引っ張り出すことができず,爪を立てて引っかけて取り出すことになりますが,それでも安定して取り出す自信がありません。
これ,例えば駅のホームで取り出そうとすると,本体を引っ張り出そうとして飛ばしてしまい,線路に落としてしまう…ということが頻発するような予感がします。あるいは,取り出そうとしている間にケースごと落下させるとか…。この部分,前述した「コンパクトにさせよう」としたAppleの考えの唯一の弊害と言えるかもしれません。
「ボタンを押すと少しだけ浮き上がる…」「斜め方向に少しスライドさせることで上部が顔を出す…」等,取り出しに関して工夫が無ければならないレベルだと考えます。
落下に備えてカバーケースは必須だと思います。
次回は,お薦めのケースについて紹介します。
☆11/12追記☆
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「奥から引き出す」