音質❌️,ノイキャン⭕️の行く末は…?
Apple名義では初のノイキャン搭載イヤホン「AirPods Pro」のレビューを行っております。ここまで「開封・ペアリング編」「音質傾向編」「ノイキャン編」「使い勝手編」「お薦めケース編」「STARBUCKSでのノイキャン,レイテンシ編」をお届けしました。
総じて言えるAirPods Proの印象は,「音質❌️,ノイキャン⭕️」です。音質が高い評価を得ているようですが,やはり「ある程度の解像度がない」こと,「低音に締まりがなくだぶついていること」「中・高音部がかなりこもっていること」等を考えると,到底「高音質イヤホン」とは言えないと考えます。
そんな中…。
次のような記事を見かけ,
「やりようによっては,高音質とまでは行かなくても,音楽を聴きたい…と思わせる程度には改善するかも…」
と考えました。
キーワードは「イヤピース」です。
イヤピースがこもりの原因
前述の記事は,これまでのAirPods Proのどのレビューとも方向性が異なっており,AirPods Proのハウジング,開口部,イヤピースなどを分析し,ノイキャンの仕組みに迫ったものになっています。
その中で,「イヤピースをはずした状態での装着」を薦めているのです。そして,そもそもイヤピースなしでもズレ落ちる心配のない形状になっていることを説きます。さらに,純正イヤピースの構造として,従来はイヤホン側に付いているはずの「ノズル部」をイヤピース側が担っていることを説明しています。
何を言いたいのか…。順を追って説明します。
まずは,イヤピースをはずした状態で聴くと,AirPods Proの最大の不満であるボワツキやベールのかかった音とは異なった音が聞こえます。音量が低くて実用的ではありませんが,音質とすれば従来のAirPodsと同系統の軽やかな音なのです。
そう,ボワつかせていたのは「イヤピース」だったのです。もちろん「ノイキャン」も理由の1つかもしれませんが,ノイキャンのオン・オフで音質差をさほど感じませんので,やはりイヤピースが主犯です。
もちろんノイキャンを最大に効かせるために耳に密着させる素材・形状になっているのでしょうが,私にとっては,
「それで音質を落としては意味が無い」
となります。
つまり…。
今後,Apple以外のメーカーが「AirPods Pro用」のイヤピースを,より高音質になるような「素材」「形状」で開発し,提供し始めたら,もしかするとAirPods Proの音質が化けるかもしれない…というかすかな希望をもったというわけ。
また,私の耳には,「MサイズとLサイズの中間が丁度」いいと感じるのですが,当然現段階ではその選択肢はありません。素材以上に「サイズ感」が音質に直接的な影響を与えるイヤホンですので,どこかのメーカーに「多サイズ展開」での販売をお願いしたいものです。
最大の期待は「ゼンハイザーのノイキャンイヤホン」
と,ここまでAirPods Proの音質とノイキャンの相容れない葛藤を感じてきたわけですが,中期的な展望として,1つの機種が頭に浮かぶようになりました。
それは,「ゼンハイザーのノイキャンイヤホン」です。
「MOMENTUM True Wireless」で初のワイヤレスイヤホンに挑戦したゼンハイザー。バッテリー関係に致命的な弱点を抱えているものの,ワイヤレスのイヤホンの中では,音質的にトップだと考えています。
さらに,ヘッドホンタイプの「MOMENTUM Wireless3」も,全てのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンの中でダントツの高性能ぶりを発揮しています。
となれば…。
後は「ノイキャン付きワイヤレスイヤホン」しかないでしょう。SONY,BOSE,Appleと,情勢が一気にノイキャンに傾いていることは明らか。まさかゼンハイザーがこの分野で手をこまねいているままではいないでしょう。
来年後半には,ゼンハイザーもこの分野に新製品を投入するのでは…と予想しています。
いつも遅々と市場に参加するものの,音質に関しては外れなし…のゼンハイザー。「MOMENTUM Wireless3」のような,自然で音質にこだわるノイキャンイヤホンを誕生させる可能性は高いと考えます。
これ,出たら相当売れると思うのですが…。