Appleの拡張現実に向けた立ち位置は?
数年前から,iPhoneのAチップの性能向上の理由として,「AR」「VR」が語られるようになってきました。
なってきましたが,なかなかそれらの機能が一般の生活の中に下りてこない…という思いがあります。
個人的に幾分かお世話になったとすれば,「純正計測アプリ」くらいかな? 結構誤差も小さいですし。でもそれ以外の分野では…。生活の中で使える「これは!」というアプリがありません。個人的にはゲームもしませんし…。やはりこの分野における一般的な「キラーコンテンツ」が出てこないと,なかなか浸透していかないのではないでしょうか?
そんな中,これまで2020年にはデビューするといわれていたAppleの純正ARヘッドセットが「2022年までは登場しない」という話題が来ています。
期待は「スマートグラス」だが,そのデザイン,使い道は…
ちなみに,本ブログでも,ブログを立ち上げたばかりの「2017年2月」に,「2017年中にAppleがARスマートグラスを発表する」という記事を紹介しています。
この時期は,「Google Glass」が華やかに散った記憶も新しいころ…。それから2年半以上が経過しても,Appleからこの手の類いのデバイスが現れる気配がないというのは,なんとも皮肉な話です。
さて,「ヘッドセット」ですが,どの程度の需要があるものでしょうか?
ゲームが主な目的だとすれば,なかなか厳しいことになるのでは…と予想します。こと「ゲーム」ということになれば,「PlayStation」や「Xbox」等のゲーム専用機と連携するメーカーが強いでしょうし,iOS機器やMacでそこまでハードな使い方をするユーザーが果たしてどの程度いるのか…?
ゲーム以外にも使いようはあるのでしょうが,あれほどの大きなものを頭部に装着して何をするのか…と考えたときに,なかなか現実味が湧かない話ではあります。反面,「スマートグラス」であれば,ゲームから離れ,日常使いの中で情報を供給するデバイスとして,ヘッドセットよりは現実味が出てきますね。
「日常使い」ということで考えれば,やはり大切なのはその「デザイン」でしょう。いかにも「スマートグラス然」としているようでは,Appleユーザーは帰って敬遠するのではないでしょうか?
特にサングラス式の形状となるスマートグラスは,スマホやWatchとは異なり,常に外界にさらされる初のデバイスとなるはず。あっ,AirPods系も「全てをさらす」ことになるのでしょうが,あくまでも耳元だけですので…。しかし,その「耳元だけ」でも「うどん」と揶揄されていましたので,これで目元を覆うスマートグラスのデザインが少しでも微妙であれば,炎上してしまうこと請け合いでしょう。
そして何より心配なのは,その「使い道」です。
Glassの画面に一体何を,どのように表示するのか?
時刻? 天気? タスク? 予定? アクティビティ結果? 各種通知? 聴いている曲名? 行き先までの道順? メールやメモの文面?
…これ,そんなに目の前に表示して欲しい事柄でしょうか?
私だったら,かえって邪魔だと考えてしまいそう。情報が欲しければ,「自分で取りに行く」という選択肢はあって欲しいですし,その決定権は我々側で握っていたいもの。ライフスタイルは千差万別な分,この手のデバイスの「日常性」って,実は相当難しそうです。コンセプト次第では,単なる「ゴミ」になってしまってもおかしくないかと…。
さて,Appleはどのような提案を私たちにしてくるのでしょうか?
楽しみなような…,怖いような…。