MVNOでも5Gが利用できる?
ビッグチェンジが予想される2020年発売のiPhone12。
その目玉の1つは「5G」になりそうです。
新企画の通信品質を売りに,日本でも2020年春からの順次開通が行われるようですね。
当然大手キャリアはその準備に余念が無いはず。唯一心配なのは,何度も総務省からお叱り受けている「楽天」ですが,もはや「信用度ゼロ」という感じですので,「お安く…」というメリット以外感じられない今,積極的に関わる気持ちはありません。
さて,そんな5G。
当然そのメリットを享受しようと精を出していたはずの大手には寝耳に水といったお達しが総務省から出されました。
なんと,
「MVNOでも5Gを開通当初から利用できるように…」
という政府の方針です。
それはやり方が違うような気も…。
いつも国民目線からズレてしまう総務省
記事によると,
総務省は12月18日,NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクの大手キャリア3社に対し、MVNO各社にも5Gサービスの提供に必要な情報を提供するよう要請した
したとのこと…。
確かに,MVNOも同時スタートを切ることができる…という事象だけを切り取ってみると,平等であり,すっきりしているようにも見えます。
しかし,絶対に「平等」「すっきり」とは行かないわけです。
大前提として,自社の5G網さえ全面的に整っていない段階で,大手キャリアがMVNOに十分な協力をするとは思えません。
当然自社のメリットを最優先するはずですので,MVNOユーザーは正におっかなびっくりの利用となるのではないでしょうか?
具体的に言えば,「価格」「通信速度」「通信範囲」などの面で,どれだの信頼性とお得感を提供できるでしょう?
価格は当然大手よりも低く抑えるのでしょうが,絶対的に遅くなるはずの通信速度は,どの程度になるかが非常に気になります。分かりやすく言うと,
「5Gを謳っておきながら,現実として大手の4Gよりも遅くなる…」
といった,笑うに笑えない状況になるのではないか…ということです。
通信範囲は,これまでの例からすると,大手と遜色ないものになるのかもしれませんが,それでは,5G通信範囲外ではどうなるか?
現状の4Gレベルにまで急速落ち込むことになれば,もし5Gで高速通信を手に入れても,そのギャップによって「安定性」がこれまで以上に阻害される可能性もあるでしょう。
現状では無理があるのでは…という思いが強いです。
「4G強化」が現実的だと思うのですが…
個人的には,5G化へ向かうのではなく,
「これまで大手よりもかなり遅かった通信速度を,快適に使うことができる程度までに引き上げる,4G強化策」
の方が魅力的なのでは…と考えます。
5G化とはいえ,大手でも全面的な通信網整備にはあと数年かかるでしょう。ということはもまだまだ4Gは「主流」としてかなりの年数存続し続けることになります。
また,インフラ面だけではなく,「5Gのメリットを享受できる各種サービス」も,整うまでにはかなりの年月を要するはず。ということは,「別に5Gなんて無くてもいい」というユーザーが,しばらくの間はほとんどなのではないでしょうか?
スマホ端末もハイエンドとミドル・ローの棲み分けが,今後ますます進みそうです。だとすれば,通信サービスにおいても,その考え方があってもいいのでは?
現状の4Gにおいては,通信が混み合う時間帯にストレスがあるようでは,なかなか踏み出すことができないというユーザーも多いはず。私もそうです。しかし,これが,
「4Gであれば,過去の大手レベルの通信ができる!」
ということになれば,積極的に移行を考えるかもしれません。
逆に,そのような情勢となれば,大手も「より魅力的な5Gサービス」の開拓をより真剣に考えることになるでしょう。
「横ならび」よりも「棲み分け」という考え方の基に交通整理を行い,国民が自分にあったサービスを選択できるようにすることが,お上のやるべきことだと思うのですが…。
いつもいつも,役人の考えることはズレているのです!