AVIOT「TE-D01d mk2」の低評価が目立つ
イヤホン業界の新星と目されている,国産イヤホンメーカーの「AVIOT」。
低価格ながら,高価格帯の他メーカーイヤホンを凌駕するような音質で,2019年一気にブレークしました。
特に,私もレビューした「TE-BD21f」は,2万円を切る価格で,BAとダイナミックのハイブリッドタイプであり,ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」とも音質面で肩を並べようかという優秀な機種でした。
そして,「TE-D01d 」は,そのAVIOTの名をはじめに知らしめたと言われるほどの銘機。1万円前後の価格とは思えないほどの音質と,優秀な接続性,バッテリーもちなどをそなえたベストレラー。その機種が昨年末に「MarkⅡ」としてリニューアルしたわけですので,多くの人が注目していたようです。
私は「MOMENTUM Wireless3」購入で一気に一段落してしまい,購入には至りませんでしたが,きっと好意的なレビューが多く寄せられるのでは…と楽しみにしておりました。
しかし…。
蓋を開けてみると,非常に厳しい意見が多いレビューが多く報告されています。
AVIOTの「二回り目」,大丈夫か?
全体的な記述で多いのは,
・音質面は全機種と変化なし
・アンビエントモードや切替時のノイズ
・本体の形状が変わり,耳から落ちやすくなった
・イヤーチップやイヤーウイングが小さすぎで,イヤーウイングが小さいもののワンサイズであることの意味がわからない
・バッテリーもちが前機種よりも悪い
などといったところでしょうか?
私は,発売日を予告する記事を書いたときに,
「二回り目の製品こそ勝負である」
と書きました。
「初代」で評価され,第二世代がさらなる評価を上積みすることで,初めて「AVIOTの地位」が揺るぎないものになる…と考えたからです。
しかし,それができなかったら,ただの「旋風」で終わってしまうかもしれない…と。
まずは今回の「TE-D01d mk2」で,明確な音質向上を伝えることができなかったことは非常に残念でした。AVIOTの売りは,「安くて音がいい」に尽きます。今回はその音質面でのアピール不足は致命的でした。
また,「安かろう,悪かろう」の印象を植え付けてしまう出来だったことも残念です。
イヤーピース,イヤーウイングのサイズ感,アンビエントモードの効き具合やノイズ問題,本体が耳から外れやすい,バッテリーもちが悪くなっている…等々。
これだけ多くのユーザーが不満に感じる事態になっているということは,製品開発の仕方,メーカーとしての考え方そのものに問題があると捉えられても仕方ないかも…。
今回は,価格も下がってきた「TE-BD21f」の強みが増す結果になってしまったかもしれませんね。
私は,AVIOTに期待しています。
国産のメーカーであり,いいものを安価に提供しようとする姿勢も素晴らしいと思います。
だからこそ…。
会社のいいところを正当に評価してもらえるような製品開発,売り方をしていかなくてはもったいない。
流行りに乗って,アンビエントモードに対応することももちろん結構ですが,それ以前に,快適な使い心地と,こだわりの高音質を求めていただきたい!
確実に,それがイヤホンメーカーとして生き残るための唯一の方策だと確信しています。
がんばれ,AVIOT!