iPhone12Proで,本当にFace IDは廃止されるのか?
先日,
「iPhone12ProでFace IDが廃止され,Touch ID内蔵ディスプレーのみの認証に切り替えられる」
という記事について紹介しました。
これまで,「セキュリティーの信頼性」を第一に考え,多少の使い勝手の悪さを認識しながらもFace ID戦略をとっていたAppleの考えに賛同していた私としては,結構衝撃的な記事でした。
基本理念の大幅な,そして拙速な転換も驚きですが,技術面・セキュリティー面においても懸念があります。
①昨年,Samsungであった保護フィルムとの干渉問題等,まだまだTouch ID内蔵ディスプレーは完成の域にはほど遠い技術だと思っていたのですが,Appleは,高い自社のボーダーを超えたと判断したのか?
②Appleはかねがね,画面のどこに指を置いても認証できるようにするための特許を何件も通しています。iPhone12Proにおいて,一気に「どこでも認証」まで辿り着けるのか?
③そして,最大の懸念。Face ID以上のセキュリティーを提供する自信があるのか? これまで「Face ID最強」を訴えてきた主張をどのようにユーザーに説明するのか?
もし本当にFace IDがなくなるのであれば,以上3点の疑問に明確に答える義務が,Appleにはあると考えます。
さて,今回のFACE ID廃止に関し,もしそれが「ノッチ廃止」が第一命題となるゆえの施策であるならば,使えるのではないか…とも思える技術についての記事が来ています。
「モザイク処理」でノッチが消える?
画面下にカメラを埋め込めるなら…
この記事は,以前ご紹介した日本発の特許情報である,「FACE IDカメラをディスプレイ下に埋め込む」という情報をもとにしたもののようです。
記事によると,FACE IDカメラが埋め込まれた部分をモザイク状に描画し,カメラの存在を目立たなさせる技法のようですね。
つまり,ディスプレイ下に配置した状態でカメラ性能をフルに発揮することはまだ難しいということなのでしょう。
欠点とすれば,あくまでもモザイク状の疑似描写であるため,よく見るとモザイクが掛かっていることがわかることのようで…。
個人的には,
「そこまでしてノッチを隠さなくちゃいけないの?」
と感じます。
現状の技術がそこまでだったら,ありのままをデバイスに反映させればいいのでは?
無理に背伸びするようなごまかしは,Appleには似合いません。
まあ,この技術がiPhoneに採用されるかどうかは明言されていませんが…,ないんじゃないかなぁ〜。
さて,Appleはどう考えている?
前回の情報から,iPhone12Proについての2020年最大の関心事は,「FACE IDカメラ」になりました。
Appleが,これまで唱えてきた主義・主張を簡単に転換するのか…という観点です。
もしそうだとするならば,Touch ID内蔵ディスプレーの完成度,信頼性を含め,決して目を離すことができない論点となりそうです。