「Twilight」「Ami」は「さくらサウンド」そのものであり,冒険でもある!
ついに,待ちに待った,藤原さくらさんの新曲が配信となりました。
「Twilight」と「Ami」の2曲なのですが,この2曲,それぞれ異なったメンバーと作成したもののようです。
2019年の夏に野外フェスで鮮烈なパフォーマンスを繰り広げたメンバーと制作した「Twilight」。
秋から年末にかけて全国21ヵ所を巡ったライブハウスツアーのメンバーと制作した「Ami」。
ライブツアーの名称が「Twilightツアー」でしたので,「Twilight」の方がライブツアーメンバーとの制作か…とも思いましたが,どうやら「Twilight」というイメージはツアー開始前から存在していたということのようです。
さて,肝心のこの2曲。
いや〜,素晴らしいです。
聴けばどちらとも完全に「さくらサウンド」といえる,藤原さんの色に染まっているのですが,双方にこれまでとは異なったチャレンジがなされています。
自分の「色」はしっかりと残しながらも,新しいことにチャレンジしていく…。
藤原さんの今後の方向性を象徴するかのような2曲だと感じました。
「スカ調」の「Twilight」,ベースがうねる戦略曲「Ami」
まずは「Twilight」。
こちらは前奏から「スカ調」のリズムとトランペットの音色が流れ,これまでの藤原さんの曲調とは明らかに異なる作品だということが一聴して分かります。
しかし,どこかけだるい感じの絡みつくようなメロディーラインは明らかに藤原さんの曲。自分自身のよさを生かしつつ,壮大で軽やかな曲作りに取り組みました。
歌詞のテーマは遠距離恋愛?
離れて暮らす彼との素敵な思い出を胸に過ごすけれど,何か物足りない…。
さあ,おろしたてのの服を着て,おろしたての靴を履いて,彼の元へ…。
という感じでしょうか?
切なさの中に,これまでの自分の殻を破っていこう…という決意が込められた曲のように感じました。
そして「Ami」。
歌詞を見ると「別れ」と「後悔」の曲。
「男女?」とも思いますが,フランス語で「Ami=友達,仲間」を意味するそうです。広げて考えると,「親友」「幼なじみ」ともとれるようで,藤原さんの本意がどこにあるのか,今後のインタビュー等での答え合わせも楽しみです。
歌詞には,気持ちが徐々にすれ違って行く様子,そんな風にはならないと信じていたのに…という後悔,互いに「どのようになりたいのか」が見えずに戸惑っている感情…などが読み取れます。
この曲,1番はボーカルが奥に引っ込んだような録音がされており,それが2番になると通常の距離にまで近づいてきます。
ビートのきいたメロディーに乾いた歌詞が乗り,エコーがかかったエレキサウンドと,うねるように飛び跳ねるベースの音が,まとわりつくように降ってくる感じ。
これまでにはないアレンジで攻めてきた…という印象を受けました。
シンプルなアレンジが「さくら流」
非常に特徴的なのが,2曲ともベース,エレキ,ドラムスが演奏のメインになっているのですが,それらが決して騒々しく騒ぎ立てるロック調のアレンジではないということです。
藤原さくらのサウンドの根源はあくまでもアコースティックでJazzyな雰囲気。
それを壊さないように,エレキもベースも非常にシンプルに,そして優しい音を奏でます。音楽に詳しいわけではないので上手に表現できませんが,ベース,エレキ,ドラムスがこれだけうねるように演奏されているのに騒々しくない…という音楽はあまり聴いたことがない印象です。
新しいことにチャレンジしながらも,絶妙なところで「さくらサウンド」をキープしているあたり,相当に考えられたアレンジだと感じました。
非常に心地よく,私のようなオヤジでも楽しめる曲になっています。
心に染みるようなサウンド…とでも言えばいいでしょうか?
私,藤原さんの曲は,もっと広く評価されてもいいと常日頃から思っています。
是非多くの方にこの度の新曲を聴いていただき,そのよさを感じ取ってもらえれば…と願っています。
そして…,藤原さんにお願い。
なるべく早めにアルバムを!