「最強」と噂されるノイズキャンセリングはいかに?
復活したTechnicsが放つ,期待のノイズキャンセリング完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」のレビューをしております。
ここまで,「開封,ペアリング,ファーストインプレッション編」「取って出しの音質編」と来て,今回が第3弾。
「ノイズキャンセリング編」となります。
この「EAH-AZ70W」,発売前から注目を浴びていた要因が「高音質」と「ノイキャン性能の高さ」。
特にノイキャン性能の高さに関しては,「AirPods Proを超えた!」とするレビューが非常に多く,大いに期待していたところです。
ゼンハイザーのヘッドホン「MOMENTUM Wireless 3」を非常に気に入って使用している身としては,これからの夏場に向けて,「蒸れずに安心して使える高音質ノイキャンイヤホン」を見つけることが必須となっているこの時期。
「MOMENTUM True Wireless 2」は本機に比べるとノイキャンが弱め…という情報が多いですので,「EAH-AZ70W」が「合格!」となってくれればいいのですが…。
尚,これからのレビューはあくまでも私の使用環境(iPhone11Pro+AppleMusic)と私の「駄耳」で聴いた上での個人的な見解です。
えっ? 「AirPods Pro」の圧勝なんですけど…
結論からいうと…。
私の場合は,「AirPods Proの圧勝」となりました。
特に私の耳の形等が影響しているのかもしれませんが,私自身が驚くほどにAirPods Proの優位性ばかりが目立つ結果となってしまいました。
まずは「ノイキャンの強さ」に関して。
まずもって「EAH-AZ70W」は,そのイヤピースの優秀性もあって,ノイキャンなしで耳に装着した時点でかなり外部のノイズが削減されます。
そこからノイキャンをONにすると,サーッという弱いホワイトノイズが乗って,ノイキャンモードに切り替わることは認識できるのですが,
「あれっ? 外部音が消えないぞ…?」
と戸惑うことになります。
よく聞くと僅かに外部音が弱まってるのですが,劇的とは到底言えません。
AirPods Proは,ノイキャンONとともに,スッと気圧が変化するような感覚になってノイズが極端に削減されるのが分かります。それでもSONY機のように嫌な感覚にならないのがうまいところ。
その差は,全く勝負にならないレベルで,正直驚きました。
特に,「重低音」の部分の削減ぶりが全く違います。その他の周波数においてもAirPods Proの圧勝。
少なくても私にとっては,「EAH-AZ70W」をノイキャン目的で購入するメリットは消えました!
更に「EAH-AZ70W」の分が悪いのは,
「アンビエントサウンドモード時の人工的な感覚とホワイトノイズが最悪」
という点です。
まあ盛大にホワイトノイズが乗りますし,外部音の聴こえも全くもって芳しくありません。この点においてもAirPods Proは非常に優秀で,明確にモード切替が認識できるものの,人工的な違和感が非常に小さいです。集音の明瞭性,ボリュームについても圧勝。
「EAH-AZ70W」の外部音取り込みは使いたくないレベルですね。「生理的に無理」と感じる人もいるかもしれません。
さて困ったことに…
ちなみに,ノイキャンの効き具合をイメージ化すると,
「MOMENTUM Wireless 3 >>>>> AirPods Pro>>>>>EAH-AZ70W」
という感じ。
ゼンハイザーの「MOMENTUM Wireless 3」は,BOSEやSONYのヘッドホンと比べるとノイキャンの効き自体は弱いようですが(音質を劣化させない程度に調整されている),AirPods Proとは明確すぎるほどの違いがあります。
というか,以前のレビューでも書きましたが,「MOMENTUM Wireless 3」は音楽が一旦流れてしまえば,外部音が殆ど聞こえない程度の強力なノイキャン性能を持ち合わせているのです。
これ,やはり「ヘッドホン」と「イヤホン」との埋められない差なのかもしれません。
さあ,困ったことになりました。
夏場に向けた「ノイキャンと音質との両立」を実現させるイヤホン探し…。
果たして,次なる期待の星「MOMENTUM True Wireless 2」はクリアしてくれるのか?
もはや「私の耳との相性」の問題になってきました。
でも,私と同じ状況になっている人は必ずやいるはずです。必ずしも「EAH-AZ70W」のノイキャンが最強ではないという…。
今後のエージングで,前回述べた音質において気になる部分がある程度改善されないと,「EAH-AZ70W」はなかなか厳しいかもしれません。
現在の私の利用方法では,「ノイキャン性能」は結構重要なウエイトを占めています。この部分に弱点を抱えたまま,今後も使っていくというモチベーションを得るには,よっぽど音質を気に入らないと…。
果たして,エージングで「大化け」となるのか?
次回,「音質評価編」へと続きます!