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ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」レビュー④〜音質評価編 まさか先代にノックアウトされるとは…〜

「MOMENTUM True Wireless 2」,肝心の音質はいかに?

 ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」のレビューを続けています。 

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 ここまで,「ファーストインプレッション編」「取って出しの音質編」「ノイキャン・装着感編」と来まして,今回は第4弾。「音質評価編」です。 

 私にとって,先代に当たる「MOMENTUM True Wireless」は「お宝」ともいえる機種です。3万円台の完全ワイヤレスイヤホンで,ここまで艶や厚みがあり,壮大な音場を表現してくれるイヤホンに出会えたことは本当に幸運でした。

 しかし,どうしても外部音は入ってくるわけで,その音質を楽しむためには音量を上げてしまう傾向がありました。50過ぎのオヤジにとってはこれがなかなか厳しくなってきまして,「聴き疲れ感」が気になるようになってきているのです。

 もちろん「MOMENTUM True Wireless」の音は,解像度がありながらもゆったりとまろやかなものという,ある意味「魔法感」を感じる特性をもっていますので,その音傾向自体が疲れる…ということではなく,やはり「音量」による部分が大きいのだと分析しています。
 だからこそ,「MOMENTUM True Wireless」以上の「魔法感」を感じる音を出し,なおかつ聴き疲れを感じない「MOMENTUM Wireless 3」のような環境を求めて,「ノイキャン」にこだわっているわけです。

 しかし…。 
 前回のレビューでお伝えしたとおり,この「MOMENTUM True Wireless 2」のノイキャンは「おまけレベル」であるということが分かりました。

 だとすれば…。
 先代を大きく超える「高音質」を期待したい…と感じるのは当然でしょう。

 さて,エージング後の音質は?

 

音質傾向が全く変わりました!

 先代は,取って出し時の「シャリシャリ,カサカサ,ピーキー」というとんでもない雑な音から,エージングを経て大きくその音質が変わっていった…ということは,これまでも再三書かせていただきました。

 その経過を思い出すに,数時間でやや丸みが出始め,10時間ほどで低音が主張するとともに低-中-高音の繋がりがよくなり始め,20時間を超える頃には,壮大な音場と音の艶・厚みもはっきりとし出して,完成に近づいていったというところ…。

 しかし今回の「MOMENTUM True Wireless 2」は以前にご紹介したとおり,取って出しのの時点で「中央付近にこぢんまりとまとまっている」音。先代のようなピーキー感も全くありませんし,「MOMENTUM Wireless 3」のときに感じた低音がモヤモヤとした感じもありません。
 最初からある程度まとまっているが,全く面白みがない音に聴こえました。

 エージング開始…。

 時間を追うごとに嫌な予感が強まっていきます。

 まずもって,これまでのゼンハイザーの機種で感じたような「急激な音変化」は感じません。当初の印象のまま,少しずつ音の分離感が増しているか…という程度のエージング効果。これまでの「数時間ごとに明確にその機種のよさが現れる」という変化が見られないのです。

 ということは,取って出し時の「つまらない」と感じた音が,そもそもの「2の本質」なのか?
 そんな疑問を感じながら数十時間エージングを行いました。

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 その結果…。

①先代とは音質傾向が変わった

②私にとっては先代の方が音質的に優れている

という衝撃的な結論に至りました…。

 

何でこんなつまらないチューニングにしたんだろう?

 世のレビュー記事・動画を観ますと,「MOMENTUM True Wireless 2」を絶賛するものが殆どです。「EAH-AZ70W」と比較しても「MOMENTUM True Wireless 2を推す」という意見が多いですよね。

 しかし,そのどれもが,
「2の音質は先代の音をよりよい方向に改善しているものだ」
という点で一致しているように感じます。

 まずもって私は,この点に異を唱えたいと思います。

 「2」では,先代の最大の長所であった壮大な音場が消えました。
 取って出し時から感じていた「中央部分でこぢんまり鳴る」という傾向から脱却できていません。BA機のような傾向です。まあもBA機ほどきっちりとした音を出すわけではないので音質の傾向とすれば異なりますが,音場や音の広がり関して例えれば…ということ。

 これに伴って,先代の魅力であった,「低−中-高の音のつながり,吹け上がりのよさ」を感じることができなくなりました。だって,音場が小さくまとまってしまっているので,吹け上がりようがないわけです。
 また,全体のバランスの中で,中音のボーカル帯が気持ちよく聴けなくなりました。元々ゼンハイザーのダイナミックドライバーは,「やや中音部が引っ込む」傾向が見られると感じています。そんな中で,こぢんまりとした音の中に中音部が埋もれてしまっているような印象です。

 さらに,先代の音を支えていた沈み込むような低音が消え,リスニング機としての心地よさ,重厚さ,艶感が消えました
 先代の発表以降,解像度に関しては先代を超える機種も登場していましたが,この部分に置いては絶対的な強みを見せていたために,「エースの座」を譲らずに来たという,この根拠が「2」ではなくなってしまった印象です。

 もはや「後継機」ではなく,全く異なる機種を聞いている感じに陥ります。
 角が丸く,刺さらずに,それていてある程度の解像感を保障する…という共通点ももちろん持ち合わせているわけですが,個人的には,
「ノイキャン搭載を機に,音質傾向が全く変わってしまった」
と考えざるを得ません。

 というわけで…。
 非常に苦しい結論を導き出さざるを得ません。

 先代「MOMENTUM True Wireless」を残す!

 だって,音質を冷静に比較すればするほど,先代の心地よさばかりが際立つのですから…。あっ,もちろん,先代で試した様々なイヤーチップを試してみての結果ですので,チップがどうとか,装着感がどうとかいう以前の,「音質の変化」なのだと結論づけました。

 もちろん,更にエージングを重ねてみようかとは思いますが,恐らくここから音質傾向が急変することはないと思われます。

 先代のバッテリーもちという最大の弱点を考慮しても,今の時点ではこのように考えざるを得ない,非常に残念な結果となりました。

 次回は,そのバッテリーの状態等,その他の細かな点について…。

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