iPhoneSE登場! 売れたらいいな…
iPhoneSEが登場し,Apple Online Storeでの予約が始まりました。
ある紹介サイトで,
「見た目はiPhone8,頭脳はiPhone11」
という,言い得て妙の「コナンばり」の名言がありました。
そう,今回の「SE」は確かにiPhone8の後継という位置付けは変わらないかもしれませんが,これまでの「廉価版」とはひと味違う位置づけになったと感じます。
それでいて「価格が下がった」という部分も秀逸。
このモデル,広く認知され,売れたらいいな…と強く思います。
もしバカ売れしたら,恐らくはAppleの今後の戦略にも影響してくるのでは…と感じます。
「安かろう,悪かろう」ではないApple流廉価版
これまでのAppleの「廉価版」に対する考え方は,「安かろう,悪かろう」だったと考えます。
新機種が出た際に,それまでのモデルを価格を引き下げて継続販売したり,型落ちのAチップを搭載することで値を下げたり…。
Androidメーカーであれば,もちろん性能に差はあるものの,廉価版の機種であっても「最新機種」としての位置付けで販売されることが殆どでしょう。つまりは,価格帯ごとに系統的な開発・販売戦略がはっきりしているわけです。
しかし,これまでのAppleにおいては,新機種といえば「ハイエンド」という考え方。Aチップにしても,その年に開発されるものはハイエンドタイプの「1モデル」だけであり,性能や価格を下げるとなると,「旧チップの使い回し」となるわけです。
まあ,それでも元々の性能が高いAチップですので,性能的には全く問題ないわけですが,旧モデルを使い回すというAppleの「考え方」にやや抵抗があったことも事実です。
しかし,今回の新型「iPhoneSE」では,最新のA13Bionicを搭載(半年後には新チップが出ますが…),その他もこれまでのiPhone8では搭載されていなかった最新の技術が盛り込まれることとなりました。
単眼レンズということで,どうしてもカメラ性能は劣るでしょうが,ポートレートモードにも対応しましたし,Touch IDに関しては,むしろこちらの方が望ましい…と考えるユーザーも多そうです。
ようやく「納得のできる本格的廉価版iPhoneが登場した」と感じさせられます。
ディスプレイ,画面サイズをどう考えるか…
上位機種との決定的な違いは,ディスプレイと画面サイズでしょう。
今後ハイエンドモデルは全てが有機ELに移行すると言われています。また,いずれはMiniLED搭載という運びになるかもしれません。
iPhoneSEは液晶のまま。ここが我慢できるかは結構大きな問題かもしれません。
また,4.7インチという画面サイズに関しては,「好ましい」と感じる層と,「今どき小さすぎだろ…」と感じる層にはっきりと分かれそうです。
しかし,この考え方の相違に関してはむしろ歓迎することなのでは?
画面の肥大化を望まないのであれば,性能的な問題が消えた新型iPhoneSEを積極的に選択する大義名分を得たことになります。「小さい」というユーザーは黙ってハイエンドを購入すればいいわけです。
また,恐らくは「Plusサイズ」のSEも遅れて登場することになるでしょうから,大画面が必要な方はそれまで待つという選択肢も当然あり得ますね。
というわけで,「SEの意味合い」を考えた上で「積極的に廉価版を選択する」というオプションが増えた今,この機種が売れてくれたら,Appleは今まで以上に廉価版iPhoneに注力していくことになるでしょう。
上位モデルの技術を積極的にSEに投入しようとするでしょうし,いい意味でのハイエンドとの違いをはっきりとさせたコンセプトを打ち出すことでできるでしょう。
また,ユーザーにとっても,学生,手の小さい女性や小型が好きな男性など,「廉価」というしがらみを捨て,進んでSEを手にする層が増えることで,「iPhone=高額」というAppleの呪縛から解放されることになるかもしれません。
ただでさえ,iCloudを通じた連携がアップルデバイスの売りです。
ここまで高性能になったiPhoneSEであれば,何の問題もなく,快適にMacやiPad等との連携を楽しむことができます。
最新の機能を必要とせず,ディスプレイに関することが大きな問題とならないのであれば,「これでいい」と感じる方も多いはず。
今後のAppleの方針を,我々ユーザー側が替えていくための大きなチャンスが到来しているように感じます。
売れるといいなあ…iPhoneSE。