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ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」レビュー⑥/Technics「EAH-AZ70W」レビュー⑤/〜「ノイキャン完全ワイヤレスイヤホンの現在と未来」編〜

「今年のエース」が2台とも…

 「MOMENTUM True Wireless 2」と「EAH-AZ70W」

 早い時期から,

「名機と謳われた先代にノイキャンをプラスして…」
「名門オーディオブランドの解像感がすごい…」

と,それぞれの前評判が非常に高かった2機種が,何の因果か大人の事情か,ほぼ同時に登場するという運命のいたずらが起こった2020年4月でした。 

「2020年はノイキャン完全ワイヤレスイヤホンの年になる」
と感じていた私からすれば,正に手ぐすねを引いて待っていた両機種。

 前評判から,
「できることであれば,高音寄りのTechnics,低音寄りリスニング機としてゼンハイザー」
と,聴く音楽による使い分けさえも妄想していた次第です。

 しかし…。
 これまでレビューを重ねてきたとおり,「2機種とも採用されず!」という自分でも信じ難い結果となってしまいました。もちろん,あくまでも私の個人的な評価によるもので,決して一般化しようとする意図はありませんが…。

 詳しくは,これまでのレビュー記事を参照していただきたいのですが,簡単にまとめると…。

☆MOMENTUM True Wireless 2☆
・まずもって先代と音質傾向が異なっている
・先代の(というか,ゼンハイザー特有の)全てを下支えする心地よい低音が消えた
・そのためか,音の艶,厚みという,音の「艶めかしさ」に関する部分が大きく後退
・加えて,広大だった音場がこぢんまり
・特に「奥行き感」が絶望的に
・もともと引っ込みがちだった中音域のボーカルが下がってしまい
・高音まで吹け上がるダイナミット特有の伸びも消え…

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と,こと音質に関する部分では,いいところなしのように感じました。
 「2」を聴いた後で先代を聴くと,心に染み渡るようなリスニング機としてのよさが蘇ってきますので,音質傾向の違いは決定的です。
  まあ,モニターライクなイヤホンを求めているのであれば,角が取れた音と適度な音場という意味では「あり」かもしれませんが,それではゼンハイザーを選択する意味もないのでは…と,これまでのゼンハイザーファンとしては感じてしまうわけです。
 そもそも,ゼンハイザーがきちっとした「フラットな音作り」って…。
 少なくても私は,大いに戸惑いましたし,違和感を感じました。 
 
★EAH-AZ70W★
・解像感は素晴らしい
・高音寄りの美音系
・ただし,それだけに相当に腰高な音作り
・それでいてブーミーで人工的な低音が響き,バランスを崩している
・低-中-高の音の繋がりの悪さが致命的で,ダイナミックドライバー機のよさを感じ取ることができない f:id:es60:20200413192500j:plain

 そして,両機に共通なのが,
「私の耳では,ノイキャンの効果を殆ど確認できなかった」
ということです。 

 

ノイキャン完全ワイヤレスイヤホンの限界と可能性

 2019年のノイキャンイヤホンの急伸ぶりから考えて,今年2020年は「ノイキャンイヤホン大躍進」の年になるのでは…と考えていました。

 それは,「音質」においても,「ノイキャン」においても…。

 しかし,現実はそんなにうまくは運ばなかったようです。
 特に衝撃的だったのは,「MOMENTUM True Wireless 2」よりも先代の方が音質がいいと感じてしまったことです。もちろん好みの問題もあるのでしょうが,従来のゼンハイザーの音質傾向で考えると,先代の方が「らしい」と聴こえること自体が,「ノイキャン完全ワイヤレスイヤホン」というジャンルの恐ろしさを感じさせられました。
 発展途中…という意味合いで。

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「2」が超えることができなかった初代「MOMENTUM True Wireless」

 また,好みの問題を取り除いても,2018年発売の機種が最新機種とガチンコで比較されること自体が,本来であればあってはならないことだとも思えます。だって,今最も「伸び盛り」のジャンルです。新しければ音質もよくなる…というのが正常だと思えるのですが…。枯れた技術である有線のイヤホンであれば,必ずしもそうとは限らないかもしれませんがね。

 また,「EAH-AZ70W」は,確かにこれまでの完全ワイヤレスイヤホンにはない解像度や高音の美しさを実現しました。しかし,トータルとしての音を考えると,諸手を挙げて「最高レベル」と言えるような音作りではありません。

 「音のつながり」「人工的な音」という,音作りの根底部分を模索しているような音ですので,まだまだ「Panasonicによるプロトタイプ」といえる位置づけなのでは…と感じてしまい須磨。

 つまり…。
 確かに今は,「ノイキャン完全ワイヤレスイヤホン」にとって「伸び盛り」の時期であることは疑いようがないものの,「音質」「音作り」「ノイキャン性能」という肝心要の部分に置いて,「大いなる限界」が目の前に立ちはだかっている…とも言えるでしょう。

 しかし,だからこその「壁」を打ち破る可能性を探ることのできる楽しみなジャンルであるとも言えるでしょう。

 ゼンハイザーは「MOMENTUM True Wireless 3」において,もう一度音作りを考えることになるでしょうしPanasonicは「Technicsブランドの音作りをどのように進めていけばいいのか」を真剣に煮詰めていく時期に入るでしょう。

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 さらに,今後出てくるであろう「ヤマハ」「オーディオテクニカ」という有力メーカーも,今回のゼンハイザー,Panasonicのような洗礼を浴びることになるのでしょう。

 そんな切磋琢磨の中,今後数年をかけて「本当の名機」と呼ばれる機種が登場してくるのかもしれません。

 個人的にお願いしたいのは,
「多様な耳型でもしっかりと効くノイキャンの在り方」
を探ってもらいたいということです。

 ヘッドホンであれば,耳の上を覆うパッドのおかげで,誰しもがその機種のノイキャンをしっかりと体感できるわけです。
 しかし,イヤホンにおいては,未だに「相性」が存在することを今回学習しました。誰でもそのイヤホン本来のノイキャン性能を堪能できるノイキャンシステムの構築…。お願いしたいなあ。