ARMベースMacの展開やいかに?
AppleがIntelと決別し,MacのCPUとしてAチップを搭載するのでは…という話題は,数年前からまことしやかに噂され,ついに来年度にも実現しそうな勢いです。
これまでiPhone,iPadの高性能ぶりを支えてきたAチップですが,よもやMacの心臓部としての役割を担うだけの性能を持ち合わせるほどになるとは,誰も予想しなかった展開なのではないでしょうか?
Aチップの高性能ぶりに加え,「Project Catalyst」によって,OSの垣根を越えたアプリ構築を行えることになったことも,「全てをApple内製で仕上げる」という考え方の下支えになっているのかもしれません。
見方を変えれば,そのためにMarzipan化を推し進めてきたとすることもできるでしょう。
CPUがインテルからAチップになることで,現行のアプリの動作という点で課題は残るようですので,その点については今後クリアにしていかなければならないでしょう。
しかし,逆を言えば,その点さえクリアできれば,一気にインテル臭を消すこともできるはず。個人的にはParallelsの動作がどうなるか,非常に気になりますが…。
そんな中,TSMCが「2nmプロセスルール」でのチップ開発を開始したという記事が来ています。高精細化を急ぐのは,高性能Macへの搭載を睨んだ動きなのでしょうか?
高精細化を急ぐTSMCの意図は?
まずもって,2021年にも登場するとされているARMベースMacは,MacBook AirのようなMacBook系スタンダードモデル限定になりそうだということ。
その理由は,簡単。
いくら高性能のAチップとはいえ,さすがに「MacBook ProやiMacという高性能機を駆動するまでのパフォーマンスには達していない」ということです。
また,その省電力製を考えても,所謂ノートPCへの適性が高いであろうことは明らかですね。
そのまますんなり「Air」に搭載されるのか?
それとも,一旦は消えた「Mac Book」が,Aチップを搭載して復活するのか?
私は「MacBook復活」がおもしろい思うのですが…。
それも,「10万円切り」のMacBook。
「99,800円」ではおもしろくありませんので,ここは思い切って「89,800円」始まりの値付けではいかがでしょうか?
昨今のiPhoneやiPad Proの低価格化を考えると,あながち無理な話でもないと思うのですが…。
さて,2021年はいいとして…。
恐らくAppleとすれば,中期的な計画として,全てのMacのARMベース化を図ろうともくろんでいることでしょう。しかし,前述したとおりに,現段階でのAチップでは力不足…。
そうなれば,更なるパワーアップを狙っているはずです。
2020年iPhoneに搭載される「A14Bionic」は,これまでの「7nmプロセスルール」から更に高精細化した「5nmプロセスルール」で製造されるようです。
そして,2021年にはこれが「3nmプロセスルール」になるのでは…と予想されています。
この段階で,ひょっとしたらSamsungのAチップ参入がある得るかも…ということは,先日記事にさせていただきました。
更に…。
今回の記事では,
「TSMCが,2022年に2nmプロセスルールのAチップを製造するための開発に入る見込み」
という情報が記載されています。
私は,ここまでTSMCがAチップの高精細化を急ぐ背景には,ARMベースMacのラインナップ増加というミッションがあるように思えてなりません。
その段階を妄想してみると…。
②2022年→3nmプロセスルール→MacBook Pro13インチ?
③2023年→2nmプロセスルール→MacBookPro 15インチ? iMac梅モデル(ハイPowerBeats Proオーマンス機はIntelCPU搭載,あるいはカスタマイズ可能)
②,③への移行は,そんにたやすいことではないと思われますので,もっと期間が空くことがあるとは思いますが,あくまでも希望的妄想です。
「Mac用Aチップ」という考え方
更に妄想を膨らませると…。
現行のAチップも,iPad Proに移植する際には「A12X」など,いわゆる「強化版」をあてがうのが通例です。(A12Zは非常に残念でしたが…)
だとすれば,Macに搭載されるAチップにおいても,iPhone用のAチップをベースに,性能向上版が特別設計される可能性が高いのではないでしょうか?
例えば「A14Pro Bionic」など。
本来であれば,アルファベット最終文字の「Z」がふさわしいかもしれませんが,この「Z」,今回のiPad Proで味噌を付けてしまいましたので…。
いずれにせよ,Intelのロードマップに左右されることなく,Appleがモデルチェンジの時期を自由に決定できるメリットは計り知れません。
また,明らかにコストの面ではAチップの方が安価に製造できるはずですし,省電力面でも優れているでしょう。
前述した,アプリやソフトウエアの「脱Intel」がうまくいき,超高性能のAチップ製造技術を持ち合わせる…という条件は付きますが,より安価で高性能なMacを,最近多い「半年でモデルチェンジ」などという馬鹿げたモデルチェンジなしで手にできるのであれば,こんなにユーザーにとってありがたいことはありません。
Appleには,あくまでも「ユーザー目線」という部分を忘れることなく,開発に全力を注いでもらいたいと願っています。