噂の「Face ID搭載Mac」は,Apple Siliconと同時に登場か?
以前から噂には上っていた,Macにおける「Face ID認証」システム。
現在は,Touch IDやApple Watchでの解除が浸透してきてはいますが,常にディスプレイと正対して利用するMacでこそ,Face IDの意味がある…と,以前の本ブログで書いたこともありました。
「そのとき」がいよいよやってくるのでしょうか?
「MacOS Big Sur」beta内のコードに,MacにおけるFace IDの手がかりが見つかったとのことです。
Mac用「Face ID」に,Apple Siliconが不可欠な理由とは?
記事によると,
米9to5Macは,macOS Big Surベータ3内から新たな拡張機能として「PearlCamera」(アップルがTrueDepthカメラとFace IDに使う内部コードネーム)サポートを意図したコードを発見した
ということです。
では,MacOS Big Surをインストールした全てのMacでFace IDが使用できるのかというと,決してそうではないようです。
どうやら,「Apple Silicon」を搭載したMacでしか,Face IDの活用ができないようなのです。
どういうことでしょう?
ここで鍵を握るのは,「Neural Engine」。
「Neural Engine」とは,iPhoneXに搭載された「A11」以降,Aチップ内に埋め込まれた画像処理用の専用AIプロセッサです。
CPUやGPU等のプロセッサを1つに統合した「SoC」チップである「Aチップ」においては,様々な処理を専用に扱うチップをいくつも組み合わせることで機能向上を図る…という,Intelのチップなどにはない特徴があります。そして,iPhoneやiPadのFace IDを担当しているのが,「画像処理担当」である「Neural Engine」。当然,Apple流の「Face ID」を実現するためには,Macにおいてもこの「Neural Engine」が必須となるわけです。
すなわち…。
MacでのFace IDのためには,Neural Engineを搭載している「Aチップ」,つまり「Apple Silicon」が必要であるというわけです。
「Intelとの別れ」が必然のものに…
今年のWWDC内で,「今後2年ほどでのIntelとの決別」を宣言したApple。
これまでは,
・IntelCPUの開発に左右されることなくMacをリリースできる
・Apple Siliconを利用することで,これまでよりもコストを下げることができる
・Intelチップよりも省電力化できる
などという,「外堀」からその理由を考える場合が多かったのですが,
・Neural Engineを活かしてFace IDでの生体認証ができる
・Apple内においてのOSの壁を取り払うことができる
といった,「Macの本質的な部分」にまで「Apple Silicon化」の理由が語られるようになってきました。
これ,妙な説得力が生じますね。
「Appleがやりたいこと」「Macの可能性を広げること」という,メーカーとしての大義名分が,ユーザー側にまで伝わってきます。
「Intelとの別れは必然である…」と,強く感じさせられる事例だと言えるのではないでしょうか?