「SONY,Canon,Nikon」の3強体制が崩れていく…
そもそもミラーレスが本格化するまでは「2強」だったのです。CanonとNikonの…。
SONYがコニカミノルタを買収した際は,
「何故じり貧のメーカーを場周するのか…?」
という疑問をもちましたが,現在の「SONY強し」の状況を考えると,SONYに先見の明があったということでしょう。中・長期的な見通しがしっかりしていたというか…。
逆にいえば,CanonとNikonは一眼レフ時代の栄光にしがみつき,「ミラーレス」という時代の船に乗り遅れたということなのでしょう。
この度,カメラメーカーの生き残りに関する新たな記事を見つけました。
ただでさえ明るさは感じられないカメラメーカーの今後ですが,記事を読むとなかなか重苦しい感覚に陥ります。
「EOS R5」がCanonの命運を握る理由
本ブログでは,以前に「将来生き残りそうなカメラマウント」という記事を紹介しました。
その中で紹介したのは,以下のような内容でした。
この記事では,Nikon「Zマウント」を「多分大丈夫なマウント」として紹介していました。ただ,このグループでは最下位でしたが…。
しかし,今回の元記事である東洋経済オンラインの記事では,
「現在のSONY,Canon,Nikonの3強体制を維持するのは難しくなる」
という考えを唱えています。
現状を考えると,私もこちらの意見に賛成です。
今問題なのは,スマホの普及で「デジタルカメラが必要なくなった」という点。よっぽどの高画質を求めるのでなければ「一眼」は必要ないというほどに高性能化したスマホカメラがすべての原因です。
少しでも一眼の「画質」にこだわるようなユーザーであれば,どんなにスマホカメラが高性能化しても,「フルサイズ一眼 + 高性能レンズ」の組み合わせの描写には太刀打ちできないことが分かるはずですが,世の中「そこまでは求めない」というユーザーが大半です。
その結果,デジカメ市場に急速に縮み,Nikonはついに赤字に突入してしまいました。
踏ん張っていたオリンパスがこの業界からの撤退を決めざるを得なかったことを考えると,「Nikon,ヤバいのでは…?」と感じない方がおかしいというものです。
さらに,Canonの利益減も非常に気になるところです。SONYとの立場が完全に逆転してしまったここ数年です。
この実態を知れば,今年Canonが投入しようとしている「R5」「R6」が正に「Canonの命運を握っている」という表現が当てはまることが分かるでしょう。「命運」という言葉は,決しておおげさではないのです。
Canonがここで盛り返し,SONYのシェアを奪えなければ,大変なことになるはず…。まあ,製品の出来を考えると,相当に売れそうではありますが,直近の決算の赤字でしたし…。
鍵は「ミラーレス対応」と「センサー自社生産」
SONYがこれ程急速に業界を席巻したには,2つの大きな要因があると考えます。それが「ミラーレス対応」と「センサー自社生産」です。
ミラーレスを業界に先駈けて取り入れ,一気に体制を整えたのがSONYです。特に「フルサイズミラーレス」という選択が功を奏していますね。Canonは出遅れ,Nikonは「取り返すのが困難なのでは…」と思えるほどの対応の遅さ。
また,Nikonが苦しんでいるのは,「センサーを自社生産できない」という致命的な弱点を抱えていることです。
SONYが一眼業界に参入していない間は,SONYのセンサーをフル活用してCanonのライバルとなり得ました。しかし,現在では,当然SONYが自前のセンサーのいいとこ取りをしているわけで…。
これでは,どう考えてもNikon急上昇の鍵が見つかりません。
私も最初に手にした一眼レフ機はNikonでしたし,D100,D70s,D2x,D90まではNikonのデジ一を使用していました。
かつての「王者」の存続が危うくなるのか…という,非常に厳しい現実が目の前にあることを,我々は忘れてはいけないようです。