米国内でiPhoneのシェアが急伸! 理由はもちろん…
昨年までであれば,スマホの販売シェアにおいて,
「HUAWEIを中心とする中華製スマホ急伸…」
「iPhoneのシェアダウン…」
という話題が闊歩するほど,スマホ業界の勢力図が大きく変わってきていた時期でした。
しかし,この度発表された2020年第2四半期(4月〜6月)のアメリカ国内のスマートフォン出荷台数のデータでは,iPhoneが記録的な売上を記録したそうです。
そう…。
理由はもちろんアレですよね。
HUAWEIの締め出しとコロナと…
記事によると,
調査会社Canalysは,2020年第2四半期(4月〜6月)のアメリカ国内のスマートフォン出荷台数を発表した。iPhoneシリーズがシェアトップで,同四半期としては出荷台数の記録を更新している
メーカー別では,AppleのiPhoneシリーズが出荷台数1,500万台でシェア47.1%と,2位のSamsungの2倍以上の台数を出荷している
さらに,4月にiPhone SE(第2世代)が投入されたことで,4月〜6月期における米国内iPhone出荷台数の記録を更新している
ということです。
具体的なデータも掲載されていますね。
以前のデータと比べながら見ていきましょう(出典が異なるため,微妙に数値が異なりますが…)。
まずもって言えるのが,Appleのシェアの急伸です。
そもそもiPhoneに関しては,新機種が発売される9月以降の「第4四半期」で一気にシェアを稼ぐものの,それ以外の時期では低調な年度が続いてきました。それが今年は第2四半期のシェア記録を打ち立てたということ…。
理由はいくつかあるのでしょうが,
①新型iPhoneSEを4月に発売した
②コロナ禍で,Samsungの生産に影響が出た
③対中制裁の下,HUAWEI等の中華スマホが排斥された
というところが大きなものになるでしょうか?
これまでのiPhoneの弱みであった「価格」に関して,新型iPhoneSEは満額回答ともいえる製品となりました。Appleは,iPhone12の5.4インチモデルでも,「高性能でありながら,コンパクトで求めやすい価格」という選択肢を設けようとしています。これ,大変好ましい変化だと考えます。
②,③に関しては,今後の動向が気になるところですね。
コロナウイルスの影響が収まると,Samsungの生産体制は整ってくるのでしょうが,果たしてその後も,コロナ前のような力関係を保つことができるのかは不透明です。これまで安価なSamsung製品を購入していた層がiPhoneSE,iPhone12に移行したとすると,このままじり貧…ということも考えられます。Samsungとすれば踏ん張りどころか?
HUAWEIに関しては,米国内での勢力は下火になったのでしょうが,世界的に見ると「シェア1位」を獲得した…というニュースもありました。
こちらも,Samsungの生産低調を理由として挙げられているようですが,それにしても,世界的な制裁の中にあって,ここまで販売をキープできるHUAWEIの戦略と,それを支える中国市場の巨大さには驚くばかりです。
まあ,安価な製品が多い中華勢と比べると,「利益率」という点ではダントツでAppleが有利なのでしょうが,それにしても末恐ろしさを感じる存在ではあります。スマホが枯れた技術になっている今,私としては,廉価版・中間機種のiPhoneを充実させていくことが,Apple生き残りの策なのでは…と考えます。