「アクティブノイズキャンセリング+完全ワイヤレスイヤホン」というカテゴリー
現在のイヤホン界において,もはや主戦場は「アクティブノイズキャンセリング+完全ワイヤレスイヤホン」へと完全に移り変わりました。
そして現在の揺るぎない王者はAppleの「AirPods Pro」です。販売面においては…。
Appleデバイスとの連携,強力なノイキャン性能,Appleのブランド力…等,優れている点はあるわけですが,いかんせん音質が…。
この分野の弱点は,
「音質とノイキャン性能の両立が難しい」
ということです。
ヘッドホンにおいては,SONY機よりも若干ノイキャン性能に劣るゼンハイザーの「MOMENTUM Wireless3」であっても,一旦音楽を流すと十分と感じるほどに外部音を消してくれます。この機種,本ブログで再三紹介しているように,音質はピカイチですので,音質重視派でも十分にノイキャンの恩恵にあずかることができるわけです。
しかし,イヤホンでは…。
どうしてもヘッドホンよりも元々のノイキャン能力に劣る上に,ノイキャン性能を上げると極端に音質に影響する…という現実から脱却できていません。
しかも,肝心のノイキャンが,「ユーザーの耳によっては殆ど効果を感じることができない場合がある」ということを,自分自身の耳で経験しています。
なかなかに「怖い」カテゴリーであるわけです。
そんな中…。
「ノイズキャンセリング」という分野において常に業界の先頭を走ってきたBOSEから,いよいよ「アクティブノイズキャンセリング+完全ワイヤレスイヤホン」が登場します。
その名も「QuietComfort Earbuds」。
予約が9/24に開始され,10/15発売となっています。
問題は「音質」だなあ…
記事によると,
ボーズは,完全ワイヤレスイヤフォンの新モデルとして,独自のノイズキャンセリング機能を搭載した「QuietComfort Earbuds」(QC Earbuds)と,スポーツ向けモデル「Sport Earbuds」を10月15日より発売する。予約開始は9月24日から。価格はQC Earbudsが3万円,Sport Earbudsが2.2万円。
とのこと。
もちろん注目は「QuietComfort Earbuds」。
BOSEのノイキャン性能には定評がありますし,心配はいらないでしょう。恐らくはAirPods Proを超えてくるだけの性能をひっさげてくるはずです。
ただ,問題はその音質。
BOSEの音は,どうしても解像感のない柔らかい音で,低音が強調されたブーミーな印象がありますので,この部分が改善されているかどうかが評価の分かれ目になるでしょう。
AirPods Proの音質もダメダメです。しかしこれ程売れているということは,世の中のユーザーはそれほどノイキャンイヤホンに音質を求めていない…といえるのかもしれませんが,私はそれでは納得できません。
ゼンハイザーは音質を優先し,ノイキャン性能は低く抑えました。Technicsはノイキャン性能はそこそこですが,機械的な音質が残りました(私の耳には合わず,ノイキャンの効果が感じられませんでしたが…過去記事参照のこと)。
世の音響メーカーは,イヤホンにおける「音質とノイキャンの両立」に向けて,試行錯誤を繰り返したのが2020年だと言えるでしょう。
そんな中で登場する「QuietComfort Earbuds」。BOSEというメーカーが,所謂一般的な高音質の指標と言える「高解像度」「分離間」のある音を目指しているわけではない…ということは分かりますが,それでもAirPods Proを軽く凌駕する音質は期待したいものです。
これまでの実績からいって,予約してまでという意欲は湧かない…というのが個人的な思いです。
今後出てくるであろうレビューをじっくり吟味して,大幅な音質向上が認められれば…というところでしょうか?
もうちょっと解像度が高い音を出してくれればなあ…。