期待の「A14Bionic」の実力は?
先日発表された「iPad Air4」は,初の「A14Bionic」搭載ということや,iPadProに先んじて…という様々な意味合いで,「下剋上的存在」となりました。
「A14」と,iPadPro12.9インチに搭載されている「A12Z」のトータルでの性能比較については分かりませんが,当然シングルにおいてはA14が優れているでしょうから,一部においても「AirがProを凌駕した」という事実に衝撃を受けました。
さて,そんな「A14Bionic」ですが,当然今後発表されるiPhone12シリーズに搭載されます。Androidスマホに対して,Aチップの絶対的な性能で立ち向かってきたiPhoneですので,今回のその性能に期待したいところですが,なかなかに微妙な数値が出てきました。
AnTuTuのベンチマークスコアが流出です。
「8〜16%」の性能アップをどう見るか…
記事によると,対11Proとのスコア比較では,「8〜16%」ほどの性能向上が見られたとのことです。
どうでしょう?
記事では,「大幅な性能アップ」という表記もありますが,私はなかなかに微妙な数値だと感じるのですが…?
特にグラフィックに関しては,「誤差」とも受け止められる数値。
本当に大丈夫なのでしょうか?
この捉え方を受けるように,記事には以下のように,A14Bionicの性能に対しては,受け止め方が様々だ…ということも書かれています。
リーカーのIce universe氏は「A14 Bionicのパフォーマンスは期待はずれで,Qualcomm Snapdragon 865 Plusよりも劣るものだ」とTwitterに投稿
もし本当にSnapdragonよりも性能が劣っているのであれば,一大事なのですが…。
ことはiPhoneに留まらず…
「一大事」としたのは,もちろん,これまでチップ性能でその存在意義を示してきたiPhoneの立ち位置が揺らぐ…という意味合いがひとつ。
もうひとつは,今後のApple Siliconへの懸念が広がるのでは…という思いです。
ご存知のとおり,今後新しく発表されるMacにはもAチップベースのApple Siliconが搭載され,Intel製チップとは決別することが明言されています。
我々は,これまでの「Aチップの絶対性」を前提に,何の根拠も無しに「安心感」をもってこの話題と接してきました。
「Aチップベースであれば,余程の高性能Mac以外であれば余裕でまかなえるだろう」
と…。
しかし,今後Aチップの性能が頭打ちになるようなことがあれば,この安心感も吹き飛んでしまいます。
世の情勢として,PCに搭載するチップをSoCチップへと切り替えていこうとする動きは,Apple以外にもあるやに聞き及びます。「Aチップの衰退」は,今後のAppleの業績に致命的な陰を落とすことになりかねないのです。
今後,A14だけでなく,来年度のiPadPro12.9インチに搭載されるであろう「A14X」相当のチップ,Macに搭載されるApple Silicon等,続々と新しいチップが登場していくことになります。価格,省電力性等,もちろん期待することは多数あるのですが,私は「チップパワー」あってこその「その他の期待」だと考えます。
GeekbenchでのA14のスコアはどのような数値なのか…。
Snapdragon 865 Plusとの比較も含め,非常に気になります。