今後のiPhone用ディスプレイメーカーシェア勢力図は?
iPhone12シリーズは,前モデルがOLEDになるとみられています。
いよいよ主力が液晶から有機ELへと本格的に移行します。
これに伴い,iPhone11Pro用のOLEDの殆どをSamsungに頼っていたという実態を改善しようと,iPhone12シリーズでは,LG製のOLEDパネルを一定数採用する…ということは,以前から話題に上っていました。
さらに,中国系メーカーである「BOE」製のOLEDパネルも導入予定だったようですが,こちらの採用は来年度になったようですね。
この度,2021,2021年度のパネルメーカー別出荷枚数に関する予測データが公開されました。そこからは,Appleの展望が見えてきそうです。
Samsungと「液晶パネル」の比率に注目
この記事で紹介されている資料がこちら。
2年後までのデータが予想されていることで,今後のAppleの未来が想像できる資料となっています。
まずは「OLED」に関して。
2019年はSamsung製に支配されていたOLEDパネル。それが,2020年以降は,LG,BOEと,一社独占になることを嫌っています。
当然ですね。もしSamsungの生産体制が崩れた際,2019年体制では全てのiPhoneの生産に影響を与えてしまいます。むしろ,iPhone11Proは,よくぞこの体勢で乗り切った…と考えるべき,Appleとすれば,結構な綱渡りだったことが分かります。
本来であれば,iPhone12シリーズから,LGだけではなくBOEにも参入してもらいたかったのでしょうが,「品質と実績を優先して見送った」ことは,Appleの良心として評価すべきポイントだと考えます。
2022年iPhoneでは,約半数をSamsungとLG・BOEで分け合うまでになるようで,健全な生産体制が構築されるのではないでしょうか?
次に注目したいのは,「液晶パネル」の出荷比率です。
「iPhoneの主力パネルがOLEDになる…」
といいながら,2022年の段階で液晶パネルの比率が「40%」ほどの割合を占めているのは,非常に興味深い点です。
当然,この「液晶パネル」を使用するのは,「iPhoneSEシリーズ」のみとなります。
ということは,Appleとしては,iPhone全体の売上の「40%」ほどをiPhoneSEに期待しているということに他なりません。
「iPhoneSE(第2世代)」が登場する以前は,この機種を「ニッチな機種であり売上は期待できない」とする見方が大半を占めていました。
本ブログでは,以前から「小さめの筐体で,ある程度のディスプレイサイズをもっているiPhone」の意義を説いてきました。それだけに,この度の「iPhoneSE人気」は非常に嬉しいですし,5.4インチの「iPhone12 mini」も,それなりに評価されるだろうと信じています。
Appleが「液晶パネル」の比率をこれ程確保しているということは,やはり「コンパクトさ」「廉価」という,世のユーザーの要求を無視できなくなってきているということの証明だと感じます。
フラッグシップに特化した売り方では,さすがのAppleでも限界に来ているということ。
私は非常にいい傾向だと思います。
性能的には頭打ちのスマホです。
画面サイズ,ディスプレイの種類,価格等をユーザーが選択できる権利は,iPhoneにおいても絶対に欠かせません。
どうやら今後のiPhoneでは,その「権利」を獲得できそうです。