「iPhone + 楽天モバイル」は定着するか?
楽天モバイルは12月4日より,携帯キャリアサービス「楽天モバイル」において,公式アプリ「my楽天モバイル」のiOS版の提供を開始しました。
また,本年7月には,無料通話のキモとなる「Rakuten Link」アプリのiOS版もリリースされています。
iPhoneXS以降のiPhoneであれば楽天モバイルを利用できる…という知識はあったものの,アプリの公式サポートがないのは大いに不安でしたので,とりあえず第一関門突破というところか?
しかし,3大キャリアにはない制限や,今後の事業展開の不透明性等,様々な問題を抱えていることも事実のようです。
「期待」と「不安」。
それが,一般の利用者の楽天モバイルに対する正直な思いなのではないでしょうか?
そんな中,先日,docomoから爆弾が投下されましたね。
「家族割り」のような割引は付かないものの,その他についての縛りが一切ないのに「20GBで2980円」という衝撃的な値付けをしてきた,docomoの「amoha」。
サブブランドで逃げを打とうとしていたauとSoftBankにとっては,事業的にはもちろん,イメージ的にも大きな打撃を与えたのは間違いありません。
恐らく,両社とも「amoha」と同等のサービスを展開することになるでしょう。「3月」開始という「amoha」ですが,「囲い込み」ということを考えれば,私は12月中にauとSoftBankが新プランを提案することは間違いないと考えます。
さあ,そうなると苦しくなるのが楽天モバイル。
生き残ることはできるのでしょうか?
「2,980円」の意味
私は,「amoha」の「2,980円」という値付けが非常に大きな意味をもつと考えます。
もちろん,楽天モバイルは同じ「2,980円」でも「ネットも通話も無制限」という強みはあります。しかし,現状はauから回線を借りているという足下の弱さは隠せませんし,今後の展開も不透明。この部分においては,実績のある3大キャリアに及ぶべくもありません。
しかも,以前にauやSoftBankが打ち出していた「サブブランド戦略」においては,「5Gは適応外」という穴があった上に,値付けも「3,980円」と,楽天モバイルとしてはまだまだ余裕があったはず。
しかし,今回の「amoha」では,「5G,5分間の通話無料」分も含めての「2,980円」です。
これまで楽天モバイルが優位性をアピールしていた部分が,だいぶ埋められてしまったどころか,「docomoブランド」の信頼性の前に,競争力を大きく削がれてしまったという印象です。
楽天モバイルがこれに対処しようとしても,かなり難しいのでは…とも思えます。
それが「2,980円」という価格設定。
これ以上価格を下げるのでは,後発であり,今後も他のキャリア以上に施設投資が嵩む楽天にして見れば相当な負担となるでしょう。
また,日本通信が先日,「20GBで1,980円」という新プランを発表したように,これ以上の価格下げは,MVNOの領域とも重なり, MVOとしての利益が確保できるのかどうかが怪しくなっていくラインになるのではないでしょうか?
大容量プランを有し,他で利益を上げられる見込みがある3大キャリアに対し,楽天モバイルは敢えて「ワンプライス」で,格安さをアピールしてきました。
その戦略が,今回の「amoha」の登場で大きく狂ってしまったのではないかと予想します。
生き残る道は…。
「価格は2,980円のままで,3大キャリアに劣らない信頼の置けるネットワーク環境を作り上げること」
しか無いでしょう。
もし,安定の通信が,「5G対応,無制限」で行えるのであれば,それこそ楽天モバイルのよさが生かされることになるでしょう。
問題は,そんな日が本当に来るのか…ということ。
楽天モバイルは,持ちこたえられるのでしょうか?
docomo対策で,低料金プランを模索中…という記事も出ています。
これにしても,本質的な解決策にはならないと思いますが…。