モデムまでも自社製に!
Apple Silicon「M1」は,その高性能ぶりと,圧倒的なコストパフォーマンスの高さで世界中にインパクトを与えました。
「まさか,SoCチップでここまでやれるとは…」
「最初のApple Siliconで何という完成度の高さ…」
という衝撃は,「やると言ったらやる」Appleの意思の固さと確かな技術力を感じさせるのに十分でしたね。
「自社製」ということで言えば,「モデム」に関しても同様の動きが以前からありました。
事の発端は,モデムを提供するQualcommとの関係。一次は,莫大な違約金が絡んだとんでもない問題にまで発展していましたね。
それが急遽,Appleが違約金を支払うという形で収まったのが,2019年4月。
しかし,同時にIntelのモデム部門を買収したのが2019年7月。
どう考えても,
「当座のモデムはQualcommにお願いするが,しばらくしたら自分で作るよ!」
と宣言しているとしか思えません。
以前から課題のひとつだったiPhoneのアンテナについては,今年度のiPhone12から自社製に切り替わっているようですが,ここに来て大本命の「モデム」にも具体的な動きが見られたようです。
他社に振り回されてきたApple
記事によると,
Appleが、自社製モデムチップの開発に着手した可能性がある。Bloombergによると,Appleのハードウエア技術担当上級副社長のJohny Srouji氏が,従業員との集会で明らかにし,「今後の重要な戦略的移行を可能にするものだ」と説明した
ということです。
Appleが,MacのCPUをIntel製から自社製のM1に変更したのも,単に性能面ばかりでなく,他社の部品生産の都合に振り回されないようにする…という意味合いが大きいことが原因であることは,周知の事実です。
これと全く同じことがモデムでも言えますね。
Qualcommと,ライセンス料のことで揉めたことを考えれば,自社生産できるのであれば当然経費の節約にも直で繋がりますし…。
また,今年度のiPhone12のバッテリーもちの悪さは,Qualcommの旧型モデムチップを搭載しているから…という見方もあります。
Android勢が新型チップを搭載している中でのiPhone12ですので,恐らくは契約上の大人の事情が絡んでいることでしょう。自社生産できるのであれば,このようなAppleに不利益になるような事例もなくなることでしょう。
正に「Apple帝国」が出来上がる!
Macしても,iPhoneにしても,最近急激に「純正」にこだわっているApple。
Appleは,様々なOSとハードを自社生産できる希有なメーカーであるとともに,それらをiCloudを活用する事で絶妙に紐付けることのできる唯一のメーカーでもあります。
つまり,Appleには,「純正」にこだわることで,他社とは比べものにならないくらいのメリットが存在することになります。
今後もこのような「純正重視」の考え方が進んでいけば,「Apple帝国」とも言える絶対的なものづくりができるようになるのではないでしょうか?
怖いような…
見てみたいような…