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Jabra「Elite 85t」レビュー④〜音質評価編:「特徴がない音」が特徴となる,不思議なイヤホン〜

イヤーチップの準備を整えて,さあ音質評価!

 Jabra「Elite85t」のレビューをしております。  

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 第4弾となる今回は,いよいよ肝心の「音質評価編」となります。 

 「Elite85t」の音質を評価するにあたり,その前提として抑えておきたいのが,前回のレビューでお伝えした「イヤーチップ」の重要性です。
 Lサイズでも相当小さく,また楕円形という異質な形状であるために,私の場合は,そのままではスカスカの音に聴こえてしまいました。よって,純正を含め,この機種は特にイヤーチップの選択が重要となると考えます。

 以下にお伝えする音質に関しては,私が最も良い音に聞こえた「BeatsX 純正Lサイズ」を用いたケースであることを前置きさせていただきます。

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「特徴がない」ことが最大の特徴

 私だったら,この「Elite85t」という機種の音質を語る場合に,
「特徴がない音であることが最大の特徴である」
と述べます。

 それがこの機種を語る上で,最大の「賛辞」になり得ると考えるからです。

 特に最近のイヤホン,特に「音がいい」と判断される機種においては,その機種の「売り」となるような音の「特徴」があるように思えます。

 ゼンハイザーのMOMENTUM(初代)で言えば,
・沈み込むような低音
・艶やかな音作り
・音場の広さ
・圧倒的な空気感,臨場感
・適度にせり出し,解像感のある中音
・多少シャリつくものの伸びやかな高音
といったところ。

 しかし,「Elite85t」に関しては,他の機種を押しのけて「NO.1」だと明言できるような「特筆すべきポイント」が見当たりません。

 高音部の煌びやかさや伸びに関しては,MOMENTUMやTechnicsの「EAH-AZ70W」には適いませんし,沈み込むような低音はMOMENTUMはおろか,AirPods Proの方が上のように感じます。

 音場も特段広いわけではありませんし,解像感がダントツに高いわけでもありません。
 別に艶っぽい音を楽しめるわけでもないし,臨場感が優秀なわけでもありません。

 しかし,私はこの「Elite85t」を残すことにしました。

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 その最大の理由は,
「特筆すべきものはないが,落ちる部分もない」
ということです。

 つまり,
「全般的に平均以上の性能を有し,それが高いレベルでまとまっている」
ということです。

 この「高いレベルで」という部分が非常に重要で,じっくりと音楽を鑑賞するような使い方はしなくても,ある程度の音質がないと「聴き流すことさえできない」という,これまでの私の悩みを解決する答えを,「Elite85t」の中に見い出せると感じたわけです。

 適度な解像感と明瞭さを併せもちながら,低音も必要最低限鳴らし,ボーカル帯もぐっとせり出してくる…。

 音場が広くないので,中央部分で小さくまとまっている感じは残るものの,不快になるほどの小ささではないので,軽く聴くような用途ではかえって聴き疲れしない…。

 弱いもののノイキャンも感じ取ることができ,低音量で鳴らしても音が痩せ細ることもない…。

 大きな「穴」がないんですよねえ。
 これまでの手元から離れていった機種は,「売り」はあるものの,全体とのバランスの中で見るとその「売り」が目立ちすぎてしまったり,「売り」以外の部分に大きな欠陥を抱えていたり…と,大きな「穴」があったわけです。

 その点で言えば,この「Elite85t」は,
「実にうまくまとめてきた」
と評価できるのかもしれません。

 

補うべき点もある!

 そんな「Elite85t」の「穴」を発生させないためには,それなりの注意も必要です。

 まず第一に,再三述べている「イヤーチップ」の選択
 全体のバランスもそうですが,イヤーチップの性能は「低音」にも大きく影響します。
 この「Elite85t」という機種,弱点は低音にあると考えています。

 まずもって低音の量感不足。
 しかし,イコライザーで低音をブーストすると,途端にしまりのないだらしい低音が顔を出します。私としては,あくまでもタイトに,しかし量感不足を感じされないようにするためのイヤーチップ選びが求められると感じました。

 第二に,イコライザー
 デフォルトの音のままだと,本当に中央部分に小さくまとまった音…のように聴こえます。
 私としては,ボーカル部がもう少し主張して欲しいので,イコライザーの中音域の部分を大きく上げて聴いております。
 本当は低音がもう少し欲しいのですが,前述したとおりに,ブーストするとブーミーに…。このあたりの加減が非常に難しいです。

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 総じて言えば,
「イヤーチップやイコライザーなどを駆使し,自分なりのお気に入りの音をつくることで,"特徴がない" というこの機種のよさを最大限に活かすことが可能」
であると考えます。

 「感動」はさほどないかもしれませんが,ずっと耳に装着して聴いていても苦にならない…。
 そんな不思議な魅力をもつのが「Elite85t」と言えるでしょう。バランスがよいイヤホンが欲しい…という方には,非常にお薦めできる機種だと思います。

 次回は,本機「Elite85t」の活用機会を考える「使い分け編」です。